校内ランキング戦
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桜が散っていく。
季節は春。出会いと別れの季節。
まさに先日この青春学園中等部では入学式が行われ、たくさんの新入生が入ってきた。真新しい制服を身にまとい、緊張と期待の感情を胸に抱いて、キラキラ輝いている。
新たに始まる新生活。それはなにも勉強や友人関係だけではない。主に中学三年間を部活動に費やすものも少なくないはずだ。
それこそ、このテニスの強豪青春学園なら尚更。
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「いっやー!海堂くんや!1年生はかわいいねぇ!初々しいやー!」
「はしゃぎすぎだ。うるせぇ」
「痛い!!痛いよ海堂!!なにも頭掴むことはないよ海堂!!」
ミシミシと変な音が聞こえると思ったら私の頭だった。同級生でチームメイトでおともだち。海堂薫くん。日に日に私の扱いは雑になっていっているような気がするけどきっと気のせいだ。…気のせいであってくれ。
彼と出会ったのも一年前。1年の時から同じ部活だったのもあってそこそこに仲良しだった。彼は、2年生ながらにテニス部のレギュラーである。必死に努力ができる素敵な人で、いつだって自分の現在地に満足していない。
彼のそういうところが私は大好きだ。
だけど、頭を掴むところはぜんっぜん好きじゃない。
「はあ…なんで海堂はこんなのになっちゃったんだろうね。去年まではあの子達と一緒でキラキラしてたはずなのに…」
「今もキラキラしてんだろうが!!」
「んー、テニスしてる時はね!テニスしてる時だけはむっちゃかっこいいよ!」
「………そういうことを簡単に言うんじゃねぇ!!」
そう言い捨てると、海堂は私の頭を乱暴に1発たたき走っていった。…なんだあいつ。トイレにでも行きたかったのだろうか。…そんなにトイレに行きたかったのに引き止めて悪かったな薫ちゃんや。存分に出したまえ…
走っていく海堂を見ていると、途中で振り返り大きな声で叫ばれた。
「今日放課後忘れんなよ!遠征だからな!」
「あー、そだった!りょーかーい!」
大きな声で返事をすると満足したのかまた走り出した。