校内ランキング戦
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激しいラリーが続いていく。
リョーマくんが打ったところには必ず乾先輩がいて、今回もデータに基づくテニスを繰り出している。リョーマくんはやだろうなぁ。
やはり乾先輩優勢だ。
「乾先輩スキのないプレイじゃん!海堂先輩より手強いかも…」
「あたりまえだよ」
「「不二先輩」」
「乾は海堂くんに3戦3勝なんだから」
自慢げにそう言った不二先輩。
目がパチリと会うと、微笑みながら寄ってきた。こんにちはと言うとこんにちはと返してくれた。挨拶って大事だよね!
「ふーん嫌な戦い方」
「参考になったかな」
「別に」
「生意気な新入生だ」
リョーマくんが打ったサーブはセンターに。やはりそれも予測済みなのだろう。乾先輩が走り出した。しかしボールはネットを超えずにフォルト。
「サーブのコースも調査済みってわけ?」
「…今のフォルトは予測できなかったよ」
「何!?越前のやつ今のファーストサーブわざとネットにかけたんスか?」
「負けず嫌いだね」
「リョーマくん負けず嫌いにもほどあるでしょ!!!おっもしろ!!」
爆笑する私にうるさいよと不二先輩がチョップを決めた。めちゃくちゃ痛い。加減というものを知らない人が青学には多すぎる。桃とか海堂とか不二先輩とか。優しく!ソフトに!丁寧に扱ってください!!
そんな風にじゃれてるうちに試合はさらにヒートアップ。やはり、乾先輩には勝てないかと誰もが思った時に試合展開は突然豹変した。
「最近やっとできるようになったステップがあるんだけど…できれば温存しておきたかったね
全国大会まで!」
「ぬかせ」
リョーマくんは不敵に笑ってみせた。あの表情ははったりには思えない。じゃあ本当に新しいステップがあるのだろうか。乾先輩の高速サーブがリョーマくんの元へ飛んでいく。リョーマくんは難なく追いついて怪しく笑ってこう言った。
「ああ…面倒くさいからもう予測しなくていいよ。右に打つから」
予言した通りリョーマくんの放ったボールは右に飛んでいった。なんで予告してしまうのはわからなくてあたふたする私に不二先輩はくすりと笑った。彼は作戦どうのというより本当にめんどくさくて言っているらしい。驚愕。
リョーマくんが打ったボールは僅かにアウト。乾先輩は手も足も出なかった。
「さすが乾先輩…アウトになるの読んでたんでしょ。
来る場所がわかったら返せない球はないもんね」
_____スプリットステップ。
テニスの基礎の基礎ともいわれる動作だけれどリョーマくんのやってるそれは見たことがないものだった。
「「スプリットステップ…ですか?」」
「うん。」
「お前ら知らないでテニスやってたのかよ!テニスの基本中の基本だぜ!相手が打つと同時くらいに軽く上に飛んで両足のつま先で着地することだよ。
それをやると半歩早くボールに反応できて次の足が踏み出せるんだ」
「なんで?」
「着地した時に筋肉がぎゅっとなるじゃん?その反動でダッシュできるんだよ。__でも、リョーマくんのはなんだか…」
早い。とてつもなく早いんだ。
なんで、何が違う?よく見ろよく見るんだマネージャー苗字名前!!ちゃんと分析してどうなっているのかを把握するんだ苗字名前!!!
さっき堀尾くんが言っていたことを思い出す、軽く上に飛んで両足のつま先で着地する……アッ!!
.
「あっ本当だ!あれがスプリットステップ。」
「あのまま両足で着地すればね」
「片足で着地し___あーっ!もう追いついてる!」
そうだ。リョーマくんは、片足でスプリットステップをしている。普通そんなこと出来るのだろうか。ボールが来るほうを予測してその方向に足を動かすだなんて。異常なまでの運動神経だ。ひぇ恐ろしい。
「データで来るならその上を行くまでだね」
「ゲームセットヴォンバイ越前 7-5!!」
乾先輩対リョーマくんはリョーマくんの勝ちで試合を終えた。