純愛シリーズ
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私の彼氏は王様だ。
氷帝学園に君臨する王様。
でも王様だって人の子だって私は良く知ってる。
「おい」
「なに?」
「こい」
ぶっきらぼうにそう呟いた王様…跡部景吾の命令に従って一旦生徒会の仕事であった書類整理をやめて馬鹿高そうな王様が座るみたいなイスに足を組んで偉そうに佇む跡部の所へ向かった。呼んでおいて彼は何も言わないし私の顔も見ない。
だけれど何をしてほしいのか分かってしまうのは彼女だからだと思う。まあ、言われなきゃしてあげないけれど。
「跡部かいちょー?」
「今はその呼び方やめろ」
「ふふ、わかったよけーご。」
仕事中は会長と呼べ、ケジメをつけろ、なんて言い出したのは景吾のくせに。矛盾している所もなんだか可愛い。きっと景吾のことを好きな女の子たちはこんなふうにたまにすごく弱ったりしていることは知らないのだろう。
彼はいつでも王様で部長で生徒会長。何枚もの仮面をかぶって生きているのだ。堂々と君臨する景吾はすごくかっこいいけれど素の景吾は可愛くてすごく好きだ。
多分最近生徒会も部活も忙しくて、ストレスが爆発したのだろう。
「お疲れ様」
「…」
無言で私の手を握りいきなり引っ張り自身の胸の中に閉じ込めた。ふわりと香るほんの少しの香水の匂いが優しくて大人しく景吾の腕の中に閉じ込められた。こうしている時は景吾に包まれてるようで幸せな気持ちになれる。
「名前」
「なに?」
「顔を上げろ」
ゆっくりと顔をあげれば綺麗な碧眼と目が合った。揺れる青色の瞳が美しくて吸い込まれてしまいそうだった。なんから、吸い込まれたかった。景吾の中に溶け込んでもいいと思うくらいに私は彼にゾッコンらしい。
目と目があって3秒後優しく口付けをされた
「…なんか恥ずかしい」
「お前はいつになったらなれるんだよ」
「いつまでも多分慣れないよ!」
景吾はクク…と押し殺すように少し笑ったあと私の顎を掴みもう一度、私にキスをした。
こんな風に弱った景吾を知っているのは私だけでいい。雌猫の人達になんて絶対譲らないんだから。自分の中に蠢く感情に少し自分自身で驚きながら、彼とのキスに夢中になった。