純愛シリーズ
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俺には中学に入ってからどうしても叶えたくてどうしても叶えられない夢がある。
「名前先輩」
「ん?どうしたのリョーマくん」
それは、今目の前にいる恋人である名前先輩と同い年になることだった。そんなの無理だとわかっているし、子供じみた願いだということも分かっている。だけれど時々感じる1歳差という大きい壁が悔しくてしょうがないのだ。年齢だけじゃなく、彼女は身長が160近くあるせいで身長ですら負けてしまっている。これでは彼氏として情けない。
最近はちゃんと2本牛乳を飲んでいるのだけれど変化は見られない
「…先輩はやっぱちっちゃい男は嫌っすか?」
「リョーマくんなら140cmでも2mでも愛してたよ私は」
「よくそんなこと恥ずかし気もなく言えるね。」
「事実だし」
やっぱり、適わない。
こういった時にもどこか年上の余裕?ってやつを感じてしまって悔しくて思わず頬を膨らませた。そのほっぺたを人差し指でつつきながら「かわいい」とはにかむ彼女にもムカつく。かわいいよりかっこいいって言われたいのは男なんだから仕方ないと思う。
どうにか名前を照れさせたい。余裕をなくさせたい。そう思うものの、案はこれといって浮かばない。まぁ、今週中の課題ということにでもしておこうかな。
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「越前~お前また苗字のこと見てんのかよー」
「…悪いッスか」
今日も今日とて練習に熱を入れる。桃先輩と柔軟をしていると両手いっぱいにタオルを持った名前先輩を見つけた。助けに行ってあげたいが、部活をそっちのけにするのも気が引ける。まぁいつもの事だし大丈夫か。
なんて思っていた数秒前の俺をぶん殴りたい。
案の定石にひっかかった先輩を見て慌てて立ち上がり助けに行こうとする。しかし先輩を助けたのは俺じゃなく手塚部長だった。優しく名前を抱き寄せるその行動を見て思わず走り出していた。後ろから桃先輩の声が聞こえるが無視をして名前先輩のところへ向かった。
「…すいません部長」
「いや、怪我がないならいい」
「手塚部長…名前先輩早く離してください」
ベリッと2人を引き離すように割込めば動じない手塚部長に少し驚いたあとくすくす笑う名前先輩。そんなに笑わなくてもいいのにと軽く睨めば「ごめんごめん」と柔らかい声が返ってきた。なんだか、その余裕が悔しい。奪うようにタオルを持って2人でベンチまで歩き出す。
「手塚部長は助けてくれただけだよ?嫉妬しないでよ」
「…手塚部長に惚れたりしないでよ?」
「惚れないよ!ふふ、かーわいいなあ!リョーマは!」
わしゃわしゃと頭を撫でられて、少しむかついた。子供扱いするなと手を叩き逆にその手を掴んで自分に寄せると、唇にちゅ、とキスをした。触れるだけのやさしいキス。ゆっくりと顔と顔を離し名前先輩の顔を覗き込めば、今にも火を吹き出しそうな程顔が真っ赤になっていた。
____やば、かっわい。
こんな顔ほかのやつに見せたくなくて思わず抱き寄せた。後ろから桃先輩のブーイングが聞こえるけれどこれもまた聞こえないフリをした。
普段余裕に見えたって主導権を握るのは俺だからね。先輩。覚悟しなよ?