ヤキモチ
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「まぁ、今となってはあの時太宰さんの手を取って居ればこんな事にはならなかったと思ってはいますけどね」
「どういう事?」
「此れは鏡花も知らないわね。4年前太宰さんが抜け出した際にあたしにも声をかけてくれているの。一緒に抜け出させようとしてくれていてね。でもあたしはその手を取ることが出来なかった。祖父を初め両親もポートマフィアにいたあたしにとって外の世界の方が危険だと思っていたわ」
「じゃあ、今もあの中で生活してるんだ」
「そういう事です」
「だから、外の世界を全く知らないのあたしは。知らないまま生きて、知らないまま育ってしまった。最初に外の世界を教えてくれたのは他の誰でもない、太宰さんだったというのもありますけどね」
「そうだったんですね」
「今からでも間に合う。ポートマフィアを抜けるべきだ。君はポートマフィアにいるべきではない」
「太宰の言う通りだね。君はポートマフィアには向いていない。補佐というのなら内務省でもここでも事務員として働くことが出来る」
まぁ、其れはそうでしょうけど
「中也を婚約者に当てられたとき、嫌な顔もせずただ首領に与えられてる直轄の命令だからな。俺の事は好きになるなよ。そう言われたんです」
「な!?」
「驚くでしょう?でも、好きになるなよ。そう言われた中也の言葉通り好きになるつもりも無かったのに」
「好きになってしまったのだね。中也を」
「はい」
だから、あの時中也がいた事にもあの女性に嫉妬したことも黙って消えようと
「椛」
んーー。と考えている太宰さんはあの時と変わらず何を考えているのだろうか
「太宰さん?」
「その指輪、中也から貰ったものでしょ」
「はい。一応形としては婚約者だからと」
「外していいよ」
え?
「ちょっとした作戦だよ」
作戦?
なんて思いながらも太宰さんの作戦立案が外れたことを見たことなんて1度もない
指輪を外して太宰さんに渡すと
「敦くーん」
「なんです?」
「これをポートマフィアの本部に置いて来てくれるかい?」
あたしの外した指輪を人虎君に預けると
「そうそう。椛中也に何か書いておけば?」
「書かなくてもきっと中也はこんな物見ないでしょうけど」
「どうかな。私が見た感じ中也は椛の事をちゃんと見ているようにも見えたけれどね」
へ?
中也があたしを見てくれている?
そんな事、有るはずがないのに…
「じ、じゃあ、此れだけ置いてきますね」