ヤキモチ
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「其れだけじゃないでしょ」
「矢張り鋭いですね。あなたと太宰さんが武装探偵社でどれだけの勢力になるのか。末恐ろしいですね」
「どういう」
「じゃあある巨大抗争がこの横浜でかつてあったのは知って居る人といない人がいますね」
「「巨大」」
「「抗争?」」
そーーっと入って来た太宰さんをあたしが見逃すはずがなかった
「えぇ。その巨大抗争の事は、太宰さんもよくご存じでしょう?」
「おま…っいつの間に!」
「よく覚えているねぇ。6年前の話だろう?」
「そうです」
「6年前、そんなデカい抗争があったんですか」
「えぇ。横浜を巻き込んだ龍頭抗争。その構想の真っ只中、太宰さんは自ら人質になって抗争の中に居ましたからね」
「何!?」
「嘘でしょ?」
「本当ですよ。あの時ばかりは驚かされましたけどね。
でも問題はそこじゃない。太宰さんは、作戦立案を1人で練って、中也にあるヒントを与えて乗り込んだんですから」
「太宰さんが」
「作戦立案を」
「1人で立てる?」
「そんな事出来る筈」
「出来ていたからポートマフィアで歴代最年少幹部を名乗れるのですよ」
「本当に恐ろしいね。椛」
「誉めても何も出ませんが」
「厭だなぁ。褒めているわけないじゃないか」
「本当、嫌な人。人の祖父が亡くなったのを首領と太宰さんで見届けているくせに」
「「!?」」
「矢張り、椛ちゃんは先代の孫娘だったか」
「どういう」
「椛ちゃ…」
「昔のように呼んでくださって結構ですよ」
「椛の情報を見て見なよ」
パソコンを開いた探偵社の眼鏡の男の人
「家族構成だけ、きっちり抜かれているんだよ。どれだけハッキングしても、そこの情報だけは出てこない」
「でしょうね。首領も今でもそこだけは出てこないと嘆いているようですし。当然、姐様も中也も知ってはいますが」
「姐さんや中也に黙らせているんだ」
「あたしが鏡花の面倒を見る。という条件で黙って居て貰っているだけです。何時、首領に報告されても可笑しくない事案ですけどね」
其れは其れで面倒な事この上ない
「椛」
「はい?」
「君も異能の持ち主だろう」
「そうですね。身を隠すには持って来いですけど」
あたしの異能は影だ。影のある場所に居れば何処に居ても隠れることも、その場から逃げ出すことも出来るという訳だ。それが例え日本国内でも国外でも、行けてしまうという事だ
「鏡花ちゃんは、見たことあある?」
「ない」
「残念ながら異能の事を話したのは此処だけです。ポートマフィアにも首領を初め部下たちも皆あたしの異能は分かりませんよ」
「おやおや」
「太宰さんが無効化をしたところで既にあたしが影の中に入ってしまえば移動は可能なので」
「無効化できないのか」
「そういう事です」
「椛。君の異能の弱点は既に知って居るのだから」
「そうですね。確かに太宰さんはあたしの異能の弱点を知って居ます。そしてこの異能の弱点を知って居るのは太宰さんとあたしだけです」
「ほう」
「だが、なぜポートマフィアはお前を手放さない」
「手放した時、あたしが外に情報を吐き出させないため。その為にあたしを監視するために幹部である中也を婚約までにこじつけさせられてる」
「な!?」