風邪
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「起きたか」
「ごめんね?寝ちゃってて」
「構いやしねぇよ。疲れてたんだろどうせ。探偵社からの伝言がある」
「探偵社から?」
「あぁ。明日と明後日は休みにするそうだ。ゆっくり休んで来いってよ」
そんな事を言ってくれる人は3人だけだ。社長と乱歩さん、与謝野
「そっか」
「あぁ。なんか食えそうか?」
「水分が欲しい」
「買ってきてある。薬はうちの首領から貰ってある」
流石中也だ
「ありがとう」
「おう」
再び眠りについて起きたのは翌朝だった
隣にも家の中にも中也が居なくて不安だった時にテーブルに置いてあるメモを見つけた
「速く帰って来る…かぁ」
そのメモの横には雑炊が入っていて
「ホント、中也ってば優しいなぁ」
中也の作ってくれていった雑炊を半分だけ食べると再びベッドに横になる
「??」
頭がひんやりとするのだ
「何でこんなものまで」
頭を冷やす氷枕とはまた別の物を置いて行ってくれていたのだ
「分かりにくい人…」
お休みなさい。その言葉は誰が訊く訳でもないが、中也の温もりがある。其れだけで今のあたしには十分だ
「おい美月」
「ん…」
「起きたか」
「中也だ」
「そうだな。どうだよ?具合の方は」
「うん。少しだけいい」
「そうか。雑炊も少しは食ったみたいだったしな」
「美味しかった」
「ならいい。なんか食えそうか」
「雑炊の残り食べるからいい」
「温め直してくる」
寝室を出た中也を見送るとそんなに経たないで戻って来た中也
「起きて来れるか」
「うん」
起き上がって中也と一緒に行くと雑炊とは別に何かを作っているようで
「いい、匂いがする」
「だろうな。テメェの好きなもん作ったからな」
あたしの好きな物?
テーブルに乗せてくれたのは茶碗蒸しで
「おいしそ…」
「食え食え」
それでも半分しか食べられなくて残しちゃったけど中也も何も言わないでいてくれて
「ご馳走様」
「あぁ。なぁ美月」
「ん?」
「風邪を引いた原因は」
「分かんない…別に冷やしたわけでも水にぬれたわけでもないし」
「そうか」
なんて言っている中也。お兄ちゃんに訊くことはないだろうけど
翌朝
目が覚めると中也が寝室にある椅子に座って居て
「おはよう。中也」
「あぁ。昨日よりは顔色もいいな」
「そんなに顔色悪かった?」
「大分な」
そうなんだ
「ま、逢引はまた今度落ち着いたらだな」
「うん…」
其れはつまりは探偵社に帰れとそう言っているのだ
ベッドから起き上がると着替えがない事に気が付いて
「あたしの着替えは?」
「洗ってる」
はい!?これじゃ、帰るに帰れない
「帰らせるわけがねーだろ」
「何で」
「決まってんだろ?そうやすやすと自分の女帰らせるわけないだろうが」
!?
「たまには家で、映画逢引も悪くねーだろ」
そう言った中也が出して来たのはDVDでお互いに見たいねと話していたものだ
「一緒に見ようぜ」
「うん」
「でも、お前はベッドな」
「何で」
「何でも」
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