風邪
お名前をどうぞ
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「此れは風邪だねぇ」
紛れもなくあたしにそう告げたのは兄である太宰治で
「今日は休んでい給え。いくらあの帽子置き場と
「うぅ…」
そうあたし太宰美月は武装探偵社の敵対組織とは言えポートマフィアの然も幹部と付き合って居るのだ
然も、今日は半年ぶりに会えるということもあったのに見事に風邪をひいたのだ
「あいたい…」
「風邪が治ったら幾らでも会えるだろう?私は仕事に行くけれど、美月はゆっくりと休んでいるのだよ」
そう椅子から立ち上がった兄をベッドで横になったまま見送ったあたし
兄が出て行ったこの一室は広すぎて寂しいのだ
「はぁ…」
イヤイヤ携帯から名前を探し出した太宰は携帯の文字に蛞蝓と書かれているところに電話を掛ける
「んだよ?」
「美月の事なのだけれどね」
「あ?今日はアイツ休みだろうが。第一此れから会うのに何かあったのかよ」
「そうなのだよ。今朝からずっと熱を出して風邪をひいているのだよ」
「風邪?」
「あぁ。会いたいと言っていたよ美月は」
「テメェの家の在処を知ってはいるが、生憎俺はピッキングは出来ねぇよ」
「だろうねぇ。だから玄関のカギを“開けたまま”私は出ている。その後の判断は君に任せるよ、中也」
「あぁ」
返事を訊いた太宰は電話を切って探偵社へと重い足取りで向かうのだ
「おはよう。皆さん」
「おはようございます。太宰さん」
「おはよう」
「美月の体調はいいの?」
「「体調?」」
皆が疑問に思うのは休みである美月の名前を出されたからだろう
「まぁ寝ているので何とかなるでしょう。其れに」
「「其れに?」」
「美月の面倒をちゃんと見てくれる“奴”には電話をしてあるので」
「そんな人がいるんですか!?」
「あぁ」
中也と付き合って居るなんて事美月は話していないだろう。そう思っている太宰は中也の名前を伏せているのだ
「大体美月の面倒を見てくれる奴がいるということは男の人ですよね」
「そうだよ」
「美月はお前と同様何を考えているのかさっぱり分からん。そんなアイツが男と一緒にいるとは想像がつかんのだが」
「だろうねぇ。だけど美月は探偵社で乱歩さんや社長。そして私よりもはるかに自分という人間と自分の横を許せる男がただ“1人”だけいるのだよ」
「「1人だけ?」」
「あぁ。1人だけね」
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