記憶喪失?
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あれから数か月
あたしは、ポートマフィアの人間ではなくこの伊太利でフリーでポートマフィアにいた頃と同じことをしている。
そして、時には首領から直々に回ってくる仕事は率先してこなしていた。というよりもあたしの場合夜の方が仕事はしやすいからだ。
その度に驚くほどの報酬が入って居たあたしは其の儘使わせてもらうことに
数カ月もすれば生活用品も揃ってある程度慣れてきたころだ
「今日もいい天気…」
中也は、今頃幸せになっているのかな。あたしとの婚約破棄をするくらいに人が寄ってきていただろう
外に出ると、暑くもなく寒くもなく。丁度いい気温の中に居て
家を出れば、街並みは夏から秋へ一変している
「おい」
!!
気のせい。気のせいだ。なんて思って通り過ぎようとした時だ
「逃げんじゃねぇ!」
ドンと自分ちの壁に背を当てて、あたしの顔面両サイドには中也の腕。目の間には中也がいる
「ほ…んも…の?」
「本物って何だよ?俺の偽物が居るってか」
だって…
「もう、あたしと中原幹部は…」
「おいおい。俺の事をそうやって読んでいいって言ったか?言ってねぇよなぁ?」
下を向いたあたしの顎をグイッと上に向けた中也
「婚約破棄書は俺のが先に書いてたから何も言えねぇ。だけどよぉ。記憶が戻っててめぇの執務室に行けばもぬけの殻。…首領に訊いても知らん顔。織田も同じだ
終いには首領にはテメェがポートマフィアを抜けたと衝撃的な発言をぶちかまされた」
「じゃ…なんで…」
「誰も行きたがらねぇ任務に出向いているって聞いた。まぁ、てめぇの異能力の痕跡をたどってたら此処についただけだ」
「!?」
あたしの痕跡をたどった?どうしてそこまで…
「俺の記憶を戻したのが首領だからな。何も言えねぇけどよ。俺の知らねぇところに1人で勝手に来て、1人で勝手に住んでるのは許せねぇな」
「だって、もうあたし達は…」
婚約者同士でも、同じ組織の人間でもない。全くの赤の他人だ
「婚約破棄書は太宰に言って無理矢理破棄させた」
「!?」
はき…させた?
「退職はいつかはって思ってたから早まっただけだろ」
「だけど…」
「てめぇは今でも俺の女で俺の婚約者のままだっつーことだ」
「!!」
あの日、一緒にいた姐様じゃない別の女の人は?
「取り合えず…」
「取り合えず?」
グッと腕を掴まれたかと思えば
「開けろ」
「へ…?」
家の玄関まで連れ戻されて
「開けろ。俺のテメェ不足を解消させやがれ」
!?
渋々玄関を開けると直ぐに入って来た中也に抱きしめられた
「な…」
「名字で呼ぶなよ」
「!?」