記憶喪失?
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首領の前で其れを書くと
「首領お願いがあるのですが」
「珍しいね。水姫からお願いがあるだなんて」
「確か海外の仕事がありましたよね。誰か行って欲しいと言っていた任務」
「あぁ」
「あたしに行かせてください」
「「!?」」
「良いのかい?」
「構いません。その代わりその任務を最後にポートマフィアを抜けたいのです」
「成程ね。中也のそばを離れる覚悟もその時には出来ていたわけだ」
「はい」
いつか来る別れの時には中也の傍にはいないと決めていたことだ
中也の幸せを邪魔することもしない。出来ない場所に行けばいいと思っていただけの事
「分かった。許可しよう」
「ありがとうございます」
「君の後任も探さなくてはいけないね」
「申し訳ありません」
「なぁに記憶を無くしたあの莫迦がいけないのだから君は何も悪くはない」
ペコリと頭を下げて首領の部屋を出ると執務室にすぐに戻る
執務室を片付けて行く度、中也に貰ったものを見つけるたび、心が苦しくなっていく。
そしてそれを手にするたび、涙が止まらなくなる
「いや…だなぁ…」
本当は中也と離れるなんて嫌だ。嫌に決まって居る。
中也の好きなタイプじゃない事も知って居て好きになったのはあたしの方だ
ある箱に詰めて行くとポートマフィアで必要になるであろう書類は書類で纏めて取っておく
後は、中也と一緒に買ったものはすべて焼却炉に入れ込んで来よう
その小物を入れた箱を台車に乗せて、下に降りると
「あ…」
「てめぇ」
「婚約破棄署は書きましたよ。“中原幹部”」
「あ?ったりめーだろ。誰がテメェみてえな女と」
ズキズキする胸と泣きたくなるのをこらえて
「すいませんが焼却炉に行きたいのでどいてもらえますか」
そう言ったのにも関わらずどいてはくれなさそうな中也の真横を通り過ぎると
「いいのかい?ソレまで捨てなくとも良かったのではないのかい」
「いいんです。中也との思い出迄持って行く事は出来ないので。此処で全て燃やし尽くしていきますよ」
「そうかい」
「首領」
「んー?」
「何時からでもあたしは行けます」
「分かった。では明日から行ってもらおう」
「分かりました。首領。あの日あたしを拾ってくれたこと中也とめぐり合わせてくれたこと。今でも感謝しています。
こんな形でのあいさつ申し訳ないのですが、今までありがとうございました」
「体にだけは気を付けるのだよ」
「はい」