子供
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「唯愛~」
「おさむくん?」
「中也は仕事でいないんだもの。今日は太宰さんと一緒にお泊り。出来るでしょう?」
「ゆあママといっしょがいい」
「あたしも、早く家に帰れればそれがベストなのだけれどね」
「かえってこれないの?」
「唯愛があたしたちの事ちゃんと待ってくれていたらあっという間よ」
「ふぇ…っ」
とうとう泣き出してしまった唯愛にお手上げ状態の太宰さん
暫くして
「唯愛こうしようか。明日1日私たちと一緒に居られれば、明後日には中也が迎えに来る。その時には、唯愛がうんと中也に我儘を言えばいいさ」
「パパ、おこらない?」
「寧ろ喜ぶだろうね。娘からの我儘。然も滅多に言わないと着たらね」
「ママも?」
「起こらないわ。其れに太宰さんたちと一緒にいた唯愛の話もちゃんとあたしは訊いているもの」
寂しい思いをしていることも本当は一緒に行きたい場所があることも。全部太宰さんと中也から聞かされている
「うん」
「唯愛」
「おさむくん?」
「もっと子供らしくしていいのだよ。君はまだ子供なのだから、中也や乃愛に甘えられないのなら、私や探偵社の中でもいい。ポートマフィアに行けば唯愛を連れてきてくれた広津さんや芥川君たちもいるだろう」
「うん」
「だから、もっと甘えて我儘を言って良いのだよ」
「ん…」
そう言った唯愛が珍しくあたしではなく太宰さんに抱っこをせがんでいるのが可愛くて
「だっこぉ」
「はいはい」
何時もよりも視界が高い唯愛は眼がキラキラしているようで
「良かったわね」
「うん」
「じゃあ、あたしからはこれを持って行っていいわ」
そう手渡したのは唯愛のお気に入りのタオルを唯愛が手に取ると
「ママのにおいがする」
「よかったねぇ。では今日はうずまきで美味しいものでも食べてから帰ろうか」
「ゆあ、オムライスがいい」
なんて訊きながら帰って行く2人の背中が寂しかったのは言うまでもない
2日後探偵社
「よぉ探偵社」
「中原か」
「最近はあまり驚くことも無くなりましたね」
「あの木偶と唯愛は」
「朝から泣きべそかいてた唯愛ちゃん連れて、今はお散歩に出かけていますよ」
「マジかよ」
しゃがみ込んだ中也に
「何であんな朝から泣きべそかいてた」
「一昨日、母親と一緒だったしな。昨日は昨日で太宰と敦と出かけたんだろ」
「あぁ。出かけていたな」
「思ったよりも楽しかったらしくてな。中々俺も時間を取れねぇ中でようやく、今日の夜中に仕事を終わらせて、今迎えに来たわけだ」
「成程な」
「乃愛さんはまだ、退院出来ないんですか?」
「一応明日の予定にはなっているがな。ただし、何もなければの話だ」
「今のところは順調って事なんだろ」
「あぁ」
そんな中、まだ、若干ぐずっているらしい唯愛を引き連れて帰って来た太宰は
「やぁ、遅かったじゃないか。“中也”」
「うるせぇ。てめぇがいなかったんだろうが」
「パパ!」
中也に思いっきり抱き着いたのは寂しかったせいなのだろう。ひょいっと軽く持ち上げられた唯愛
「おう。よく我慢したな」
「我慢した子があんなに泣きべそをかくものかい」
「ゆあ。がまんしたもん」
「そうだな」
はいはい。そう言った太宰は机の引き出しからあるものを取り出していた
「んだよ」
「出産祝いだよ。唯愛には、今度のお祝いの時にあげるからね」
「うん!」
「唯愛の面倒を見て貰ってんだ。別にいらねぇよ」
「構わないよ。私は君と乃愛にだから渡すのだよ」
「そうかよ。唯愛とれるか?」
中也に抱えられている唯愛が太宰の手から貰うものを貰って
「また、今度はアイツも一緒に連れてくる」
「楽しみにしているよ」
「にぎやかになるねぇ」
平日で、学生であるナオミがいなかったのは良いのだろうが仕事でいない、他に人たちに会えなかったのは寂しいのだろう
「ばいばーい」
そう手を振っている唯愛に手を振り返してくれている太宰は笑顔で
「じゃ、世話になった」