子供
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翌朝、一段とラフな格好で来た中也は
「パパ?」
「おう。どうする。ママの所に行くか」
「ママ、ゆあがいってもおこらない?」
「怒らねぇよ。寧ろ喜ぶんじゃね」
「行って来給えよ唯愛。それでも怖かったら、中也に連れてきて貰えばいいだけの話だろう」
下を向いている唯愛にそう言うのは、昨日中也が帰った後に毛布にくるまって泣いていたからだ
「毛布なんかよりも、乃愛の温もりを確りと感じられると思うけれどね」
「いく」
此処にいる間に自分で支度もダイブできるようになってきていた唯愛
「パパー!」
「はいはい」
つい最近。探偵社の社長が唯愛にと買ってきてくれたらしいワンピースを着ようとしていたが悪戦したらしい唯愛は諦めて中也を呼んで早々に着替えを済ませている
「気を付けるのだよ」
「はぁい」
靴を履いて中也に抱えられて来たのは大きな病院で
「ママ、ここにいるの?」
「あぁ。怖いことはしねぇよ」
「ほんと?」
「あぁ」
車を止め、受付を済ませると其の儘個室に連れて行ってくれた中也と唯愛の目線の先にいたのは紛れもなく乃愛で
「ママ?」
「いらっしゃい。唯愛」
ベッドではなく椅子に座っていた乃愛はしゃがんで両手を広げてくれている。其処に思いっきり抱き着きに行った唯愛は大泣き状態だ
「ママぁ……なさい」
「?」
「ごめんなさい」
「気にしてないわ。其れだけ、寂しかったのだから仕方がないわよ」
「散歩でも行くか」
「そうね。愛芽が来るまでまだ時間があるもの?」
「あめ?」
「そう。唯愛の妹の名前よ。唯愛もお姉ちゃんになるの。でも、唯愛だってまだまだ沢山甘えていいのよ?」
「いいの?」
「勿論よ。帰ったら唯愛の好きな物沢山作ってあげるわ」
外に出ると、丁度いい風が吹いていて
「ゆあ。ママのつくってくれるおこさまプレートがいい」
「デザートも付けなくちゃ行けねぇな」
「そうね。唯愛の好きなケーキとプリン。どっちにしようかしら」
「どっちもたべたい!」
「じゃあ、両方ね」
其処まで寂しい思いをさせてしまったのだ。病院が嫌いだからと行かないと言われ続けていたのに、今日は来るといったのはきっともうすでに我慢の限界だったのだろう
そんな唯愛もあたしの腕の中で眠りについてしまっている
「大丈夫か?」
「少し休みたいかな」
「貸せ」
唯愛を受け取ってくれた中也は、見つけたベンチにあたしを座らせてくれると
「こんだけ寂しい思いさせたんだな」
「そうね。あたしの物で何かいいものはあった?」
「毛布を太宰の所に持って行った。それでも昨日は泣いていたらしい
もっと早く、乃愛に合わせりゃよかったのかも知れねぇな」
「そう、かも知れないわね」
「愛芽にお前を取られるのが嫌だって言ったらしい」
「太宰さんに?」
「あぁ。まぁ、暫くはそうなるかもしれねぇし、仕方ねぇかもしれねぇけどな」
「えぇ」
ママ。そう言った唯愛はまだ眠って居て
「部屋に戻るか」
「起きないかしら」
「どうだろうな」
部屋に戻って来ても眠ったままの唯愛をベッドに横にさせると
「ゆあのママ」
「そうね」
唯愛の頭を撫でていると
「お食事のお時間ですがどうなさいますか?」
そう言って来た看護婦さんに
「先に食ってろよ。此奴が起きたら、俺達も食いに行って来る」
「そうする」
其の儘出してもらった食事を食べている間も全く起きなかった唯愛が起きたのは、夕方になってからだ
「マ…ママ?」
「起きた?」
ベッドから降りて来た唯愛は其の儘あたしの方へ寄ってきて、椅子に座っていたあたしの足にしがみついてきたのだ
「あかちゃんに、ママとられちゃう」
「唯愛」
「ママ?」
「大丈夫よ。貴方があたしと中也の娘であることに変わりはないのだからあの子だけが特別なわけじゃないわ」
「ゆあもすき?」
そんな事聞かれるなんて思いもよらなかった
「勿論よ。でなければこうして一緒にいることも無いでしょうけれど」
「うん」