子供
お名前をどうぞ
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「中也」
「あ?んだよ」
「乃愛が使っていたものとかで唯愛が大丈夫そうなものとかないの」
「見て見ねぇと分からねぇよ」
「そうかい」
中也の足にしがみついている唯愛を見ればそれが答えなのだろうとすぐさま理解が出来る
「唯愛ちゃーん。そろそろふれあい体験始まるみたいだよ」
そう言って来た谷崎の言葉に反応したのは中也で
「ふれあい体験だぁ?」
「そう。動物に触れあえる体験ができるみたいなのだよ。唯愛がこれをしたくてそう言ってきているのだけれどね」
「そう言う事か」
「パパ?」
「行ってこい。触りたかったんだろ」
「いいの?ゆあ、ママに」
「いいんだよ」
そう言った中也の言葉を訊いた後に。谷崎の方へ走って行った唯愛を見届けると
「なぁ、太宰」
「なんだい?」
「子供嫌いな乃愛がどうして母親になったか教えてやろうか」
「そう言えば、確かにあの子は小さな子供が大の苦手だったねぇ」
「アイツは今でも子供は苦手だ。自分の子供ですら、好きになれる自信がねぇと。そう言ってきてる日の方が多い。
其れなのに、今じゃ唯愛と次に生まれてくる
「不思議なものだよねぇ」
「姐さんに言われたんだよ。年の離れた妹だと思えばいいだろってな」
「そう言う事か」
「あ?」
「乃愛は唯愛にそう言われても、如何返していいのか分からなかったから何も言わなかっただけなのだよ。
もしも、その答えが分かって居ればきっと今頃はお互いに乃愛も唯愛も自分で発した言葉に傷ついていただろうね」
そう遠くない場所で小さな動物とじゃれ合っている唯愛の姿を見た中也は
「もう暫く頼む」
そう言った中也は重力で上に上がって行ってしまった
「全く。唯愛に位。何か言って行けばいいものを」
太宰もまた唯愛のいる方へ歩いて行くと
「あれぇ?パパは?」
「お仕事だってさ。唯愛が使えるママの物を探しにね」
「ほんとう?」
「あぁ」
その日の夜。探偵社員寮に来た中也は、大きな袋を持ってきていて
「随分とまたデカい袋を」
「乃愛が使ってた毛布だ。此れは、唯愛も一緒に使ってたものだ」
「成程ね。あの子も丁度お風呂出てきたばかりなのだよ」
「そうかよ」
そう言った直後だった
「パパ!」
「おー。今日は楽しかったか」
「うん!うさぎさんと、ワンちゃん。さわってきたの!」
「そうか。其れは良かったな」
「かわいかったよ!」
中也に髪の毛を乾かして貰った唯愛は今日あった出来事を中也に話していて
「そうか。じゃあ、俺からも1つ報告だ」
「「報告?」」
「ガキが今日産まれた」
そう言った中也は嬉しそうで
「そうかい」
「何もなければ。乃愛も4、5日で退院できるらしい」
「ママかえってくる?」
「あぁ。お前に会えるの楽しみにしてるそうだ」
「ほんとう?」
「あぁ。唯愛もお姉ちゃんだな」
「…」
「中也。唯愛はその子供に中也と乃愛が取られてしまうのではないかと不安なのだよ」
「唯愛。明日パパと一緒にママの所に行くか?そしたら、妹にも会えるぞ」
「女の子だったのかい?」
「あぁ。俺はどっちでも良かったしな。名前も決めてある」
「そうかい」
「いかない」
そう寂しそうに言った唯愛は
「ゆあ。ままがきてくれるの、まってるの」
きっと誰よりも乃愛に会いたいのは唯愛だ
「そうか」
玄関で少し話をしてから。そう言った中也は
「明日の朝もっかい来る。それでもいかねぇってなら」
「その時は預かっておくよ。どうせ、もう名前も決めてあるのだろう」
あめ
「あぁ。愛芽だ」
メモに書いた名前は、唯愛との共通点に気がついた
「同じ漢字を入れたのだね」
「あぁ。唯愛だって紛れもなく俺達の娘だ。どっちが1番だなんて興味ねぇよ」
「そうかい」