子供
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数か月後
「どうかしたのかい?」
「わりぃな。コイツ預かってくれ」
「はぁ?」
「乃愛が産気づいてる。俺たち以外で懐いてる、探偵社になら任せても平気だろうっていう乃愛からの伝言だ」
「成程ね」
シュンとしている唯愛は
「では預かるとしよう。与謝野さんやナオミちゃんなら喜んで居そうだ」
「そうか」
「パパ…」
「そんなに待たせねぇ。ちゃんとに迎えに行くから其れ迄いい子で待ってろ」
「でも…」
「乃愛がリュックサックに良いもの入れてるっつってたぞ」
「いいもの?」
「あぁ。探偵社に行ったら見せて貰え」
「うん!」
立ち上がった中也に
「無事に産まれてくることを期待しているよ」
「あぁ」
過ぎ去っていく中也に泣きそうな顔をしている唯愛を見た太宰は
「良いところに行こうか」
「いいところ?」
「あぁ」
探偵社に行く前に、行った場所には
「あー!あつしくんとらんぽくんだー」
「!?」
「あれ?今日預かったんですか?」
「急遽ね。乃愛が産気づいたって言うからさ」
「成程。散歩がてらにここに寄ってくれたんですか」
「まぁね。其の儘探偵社に行くのもと思ってね」
「でも、そのまま行けば何か言われてしまいそうだからねぇ」
「だろうな。ポートマフィアの子供を預かるって言うのはそう言う事だって分かってて預かってるだろ?太宰だって」
「まぁ、其れは分かって居ますよ。それでも、矢張りアレがいくら嫌いな奴でも其れなりの付き合いがあるわけですからね」
「おさむくん?」
「唯愛。一寸悪いことしようか」
「わるいこと?」
「そう。悪い事」
「乱歩さん?何をするつもりですか?」
「ん~?秘密♪」
「ひみつー?」
「そう。秘密」
乱歩は其の儘唯愛の手を取って歩きだすと、後ろから付いてくる2人
「一体どこに行くつもりなんでしょうか」
「さぁ。其れは私にも予想できないからねぇ」
「太宰さんでも分からないんですか」
「分からないねぇ」
歩いて着いた先には、駄菓子屋さんで
「ここどこぉ?」
「駄菓子っていって安いお菓子が撃ってるんだ」
「?」
「見てみれば分かるよ」
一緒に中に入って行った2人の後に入ると
「おさむくん!おかし!おかし、いっぱい!」
「そうだねぇ」
「ママにももっていけるかなぁ?」
「後で訊いておいてあげよう」
「うん!」
両手いっぱいにお菓子を持って来ようとした唯愛に
「そんな沢山持っても唯愛は食べきれないだろう?」
「ママたちといっしょ」
「!!」
乃愛にどうしても渡したいらしい唯愛はきっと寂しいのだろう
スマホを取り出し、ある人物に連絡を入れる
「んだよ?」
「唯愛が寂しいそうだよ?」
「まだ産まれてねぇよ」
そう、連絡の相手は中也だ
「アイツは」
「駄菓子屋に私と乱歩さんと一緒だ。其処で、駄菓子を乃愛に渡したかったらしい」
電話越しにクスクスと笑っている乃愛の声が聞こえてきて
「乃愛?」
「ママ?」
「太宰。アイツに変われるか?」
「テレビにしても構わないけれど」
「泣かねぇか?」
きっと泣くことは確実だろう
「太宰。探偵社に付いてからの方がいい」
「あ?そういや駄菓子屋とか言ってたな」
「そうだねえ」
「後で電話かけなおす」
「了解」
電話を切った太宰に泣き出しそうな顔をしている唯愛は
「大丈夫。後でかけ直すさ」
「ほんと?」
「本当だとも。中也たちにも買って行こうか」
「うん!」
単純だと思ったのは敦だけではないだろう
「唯愛ちゃんは何が好きなの?」
「ママのつくってくれるごはん」
「って何だろう?」
「しろいの」
「「白いの?」」
「うん。しろいの」
「シチューか」
「しちゅー?」
「そう。白くて野菜の入って居る奴だろう?」
「ううん。はいってない」
「入ってない?」
きっと恐らく、入っていないのではない。入れているのを分からせないようにしているのだろう
「何だろうか」
「敦。簡単だよ」
「簡単…ですか?」
「あぁ。グラタン。だろう?唯愛が好きなのは」
「うん!」
「グラタン…ですか」
「うずまきにはありそうだねぇ」
「うずまき?グルグル?」
「そうではないよ。ご飯を食べる所だ」
「??」
太宰も敦も、中也や乃愛ですら、唯愛を連れて行ったことがないのだ
散々、上に有る探偵社に唯愛を預ける。預かる側でも連れて行ったことがないのだ
「ママのつくったのたべられる?」
「乃愛のでは無いけれどね」
「ママのごはんがたべたい…」
「そうなるよねぇ」
探偵社に付くと
「なんだ。今日預かる日では」
「国木田。察してやれ」
「どういう」
「乃愛さんが出産近いみたいで」
「成程な」