子供
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「ママー!」
あの家に住み始めて1年。安吾さんからの情報によって唯愛が3歳だったことが発覚。中也と慌てて幼稚園や保育園を探して家から近い保育園に入園させてもらっている
「お帰りなさい」
「ただいまー!」
靴を脱ぎ捨てて家の中に入ってきた唯愛を見て苦笑いしか出来ないあたし
「あれー?パパは―?」
「お仕事だって」
「えー」
ふふと笑うと
「じゃあ、お散歩しながら行こうか」
「うん!」
ポートマフィアでも人気者の唯愛は父親である中也の他に紅葉様や銀ちゃんにはすごく懐いている
停戦協定中の探偵社の中でも太宰さんや人虎である敦くん。意外にも探偵社の社長も名探偵も面倒見がいいということが発覚している
「着替えてきちゃって」
「はぁい」
未だに子供は苦手だと分かってくれている中也は自分たちの子供はしばらくいらないとまで言ってくれている
中也に買ってもらったばかりのワンピースに着替えて来た唯愛を連れてポートマフィアの本部へ来ると
「おや。乃愛さんではないですか。唯愛の母親ですな。確りと」
「じーじ!」
「おや。この爺にいつになったら保育園の制服を見せて貰えるのやら」
「こんにちわ。広津さん。中也は?」
「此れから、仕事だと言っていたので恐らく訓練場かと思われるが」
「そっか」
「くんれんじょう…?」
「体を動かすところだ。まだまだ、覚束ない喋り方だな」
「少しだけ上手になった気もしますけど」
「そうか」
「じーじ。パパにあえるー?」
「会えるとも。連れて行ってあげよう」
やったぁ。大喜びで広津さんに抱えられた唯愛の気分はルンルンなんだろう
訓練場に付くと、部下と体を動かしている中也の姿があって
「中也さん」
「あ?」
広津さんの声に反応を示した中也は広津さんの腕の中にいる唯愛を苦笑いしてみていて
「パパ!」
「おー。随分とめかしこんで来たな。疲れたろ?乃愛も」
「ううん。大丈夫」
「お前の大丈夫は、いつだって大丈夫じゃねぇ」
「ほんと、平気よ。乃愛が中也にあのワンピースを見せたがっていたのに
帰ってきたら中也は
「そうかよ」
中也が唯愛を抱え上げると
「パパ!」
「何だ」
「きょうは、ぱぱといっしょにねるの!」
「おやおや」
「そうかよ。で?あの木偶の所にはいつ行くつもりだ」
「でく?」
「そんな言葉だけ覚えようとすんな。太宰だ。太宰」
「おさむくんはー…あした?あしたのあした?」
「なんだそりゃ」
まだ、分かり切っていない唯愛はキョトンとしながら話していて
「明後日だと思うけど…ほら、明日は探偵社が忙しいって言ってたから」
「そういや言ってたな」
乃愛は時々探偵社にいる太宰さんの所にお泊りに行っている
決まってぐずって帰って来るところを見ると何処かに連れて行ってもらっているか探偵社が好きなのだろう
そんな事もあっているせいかイヤイヤながらも太宰さんとは連絡を取り合っているようで
「太宰とどこに行くんだ」
「んー…っとねぇ」
そう考えるそぶりを見せて来た唯愛は
「ゆうえんち!」
遊園地?
「太宰の奴には似ても、似つかねぇな」
「其れは中也も同じでしょう?」
「じーじ!ゆうえんち!」
「楽しんでき給え。その前にこの爺がお小遣いでもやろうかの」
「いつもすいません」
「いや。何。本当の孫みたいで可愛いものだ。私が拾ってきたとはいえ、父親にはなれなかったからな」
そう言えば、そんな事を言っていたっけ
「俺や乃愛が見られない間だってある。此処で面倒を見て貰っている方が断然多いだろ」
「そうですな」
下に降ろされた唯愛は、構成員たちの所に行って追いかけっこを始めているようだ
「俺だけだと、あそこ迄できねぇからな。その点、チビだと出来んだろ」
体力お化けの中也が言うくらいだ。其れなりに動けていても、体力の消耗だって半端じゃないだろう
「その様ですな。子供の体力は並大抵ではないと芥川くんや銀の時に思い知らされた」
「そうだねぇ。あの時はまだ、あの2人も子供だったのに」
「今じゃ、立派な大人だ」
「ですね。そして、君もだ乃愛くん」
あたし?
「君は、十分に立派な大人になり、今じゃこうして、あの子の母親まで確りとやっているではないか」
「どう…でしょう」
あたしには、其れが分からない。本当にあの子の母親があたしで良かったのかなんてあたしには見当もつきはしない分かるのは、あの子だけなのだから
「訊いて見りゃいいじゃねぇか」
「え?」
「唯愛」
「ぱぱー!」
中也に呼ばれた唯愛は思いっきり走って来る途中足がもつれて、転びそうになったのを中也の異能に寄って転ばずに済んでる
「どうしたのー?」
「お前のママは、唯愛で良かったか?」
「うん!だってやさしいもん!ごはんもおいしいし、いっしょにねてくれる!」
「だとよ」
「そっか」
「其れで十分なのだよ」
「みたいですね」
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