隠し子
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翌日、本部に行くと
「なんじゃ。離れたのは結局1日だけじゃったのか」
つまらん。そう言った紅葉様の手には昨日の子供の姿
「唯愛挨拶をちゃんとおし」
「ゆあ…」
「まるで、警戒心むき出しの野良猫だな。お互いに警戒心を解いちゃいねぇ」
「確かにのう」
「乃愛」
「のあ…?」
「あたし、名前呼び捨てにしていいなんて言ってないけれど」
「はぁ…」
「ガキの言うことにいちいち反応してたらきりねぇぞ」
だから昨日あんな反応していたの?
「あたしは宜しくする心算はないから」
「おいっ」
中也の方を見ると
「其の儘の意味だと取って貰って構わないわ」
あたしが子供が好きじゃない事も中也は知って居るはずだもの
「…」
子供の前から歩きだすと後ろからついて来る女の子…つまりは、あの子供だ
「何の用?」
「どうしたら…ゆあのこと、みてくれる?」
は?
「ここにいる、みんな…のあ…ちゃんは、やさしいからゆあのことも、みてくれるって」
皆…ねぇ…
「乃愛」
「紅葉様?」
「すまんの。唯愛の親は抗争で両親ともども敵組織の異能にやられたんじゃ。もう、家族もおらん」
へぇ
「じゃが乃愛とて、同じ経験をしておるじゃろ」
「そうですね。あの時代は、見てくれる人も大勢いましたから」
異能特務課からのスパイとして
坂口安吾君
有能な異能力に恵まれていたにもかかわらず、出世に興味の無かったあたしの父親の様な存在だった。
織田作之助さん
現在は武装探偵社で、ポートマフィア元最年少幹部だった
太宰治さん
そして、太宰さんと一緒に行動していることが多かったあたしに関しては羊の王だった。
中原中也がいたからこそだ
「お主が子供が嫌いじゃと言う事は重々承知しておる。其れは鴎外殿も中也も知っておることじゃ」
「なら…!」
「じゃが、乃愛なら、唯愛のよき理解者になるじゃろうと鴎外殿も言っておったがの」
「ん…っ」
其れに。と付け加えた紅葉様は
「乃愛に年の離れた妹が出来たと思えばよかろう?」
年の離れた…妹…
「太宰や特務課の奴はお主をそうみておったじゃろう」
「そうですね。織田さんは、父親の様な存在でしたけれど」
「そうじゃ。だからこそお主が、唯愛のたった1人の家族に」
紅葉様の足元にしがみ付いている女の子はあたしの方を見ていて
「乃愛もよくこうして太宰たちの足にしがみ付いておったのが懐かしいのぉ」
「はぁ…分かりました。この子供の面倒は見ます」
ほかならぬ紅葉様や首領の言葉があるからだ
「??」
「そうかえ?」
「はい」
早々に紅葉様は子供を置いてどこかへ行ってしまわれた。執務室に入ろうとしたときだった
「面倒見る気になったか」
「紅葉様に言われたら仕方がないでしょう?子供が好きじゃないと言うのに旨く言いくるめられてしまった」
「流石は姐さんだ。俺も協力は出来る限りする。テメェ1人で背負うなよ」
「分かった」