隠し子
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中也のいるであろう執務室に報告書を持って行くと
「何…その子」
「さぁな。今朝俺も首領に渡されたんだ」
「パパ!」
パパ!?
中也が?
「あたし以外にも女がいたんだ?」
と言うか、あたしが浮気相手だったのかも…
「おい」
「報告書と日程表です。」
「!?」
「こちらに置いて行きますね」
机の上に置くと、中也にも子供にも目をくれず執務室を出ると
「何かあったのかえ?」
「紅葉様。実は」
歩きながら先刻会ったばかりの事を離すと
「おやおや。中也に隠し子とはのぉ。わっちには、十分乃愛を大事にしておるように見えておったが所詮は男じゃった。ということかのぉ」
「そうでしょうね。子供も中也を見てパパとそう言っていましたから」
「おや…」
「きっとあたしじゃなく、違う心に決めてしまった女性(ひと)を見つけてしまったのでしょう」
「どうかの」
え?
「中也にはお主しかおらぬようにしかわっちには見えんが」
そんな事…
「暫く離れてみればよかろう」
「離れる?」
「そうじゃ。お互いが近くにいすぎて見えないものが見えておらんのじゃろ」
「どういう…」
「そうじゃの…少し気分転換に“1人”で何処かに出かけてきたらどうじゃ」
何処か…に出かける…か
そんなの考えたことも無かったなぁ
「そうします」
本部を出て、ただただ歩いて何処に行くでもなく歩いていたかった
何も考えないで、ただただ1人でいたかった
ある場所に来ると
「こんな喫茶店があったんだ」
其処は喫茶処~うずまき~と書かれた喫茶店
カランカランと心地の良いベルの音と共に中に入ると
「いらっしゃいませ」
そう言ってくれた渋めのおじ様が丁度
「ホットのカフェオレをください」
「畏まりました」
カフェオレが来た直後だった
「やぁ。乃愛」
「だ…太宰さん!?」
「包帯無駄遣い装置。ここに来てまで女性を口説くなんて莫迦な真似…」
入ってきた探偵社の人間の声が聞こえて来たのは然も、真横では同じポートマフィアにいた男までもが此処にいる
「お久しぶりですね。太宰さん」
「そうだね。久しぶりだ。然し、何故君は今日“1人”なのだい?」
「アレにでも聞いたらどうですか」
中也をアレと呼ぶことは相当ない
寧ろほぼないに等しい
「私が電話をあの蛞蝓に電話を掛けると本気で思っているのかい?」
思ってなんてないけれど
「おい」
「何ですか?」
「アレとは一体誰の事だ。太宰に関しては知って居るようだが」
「貴方方も知って居る筈でしょう?ポートマフィア5大幹部が1人」
「重力使いの中原中也」
「「!?」」
「太宰さん位でしょう。その人を蛞蝓だなんて言えるのは。アレに関しては太宰さんを“鯖”扱いですものね」
「「鯖…」」
「おっと。話が脱線してしまった。何故乃愛は1人なのだい?
蛞蝓に訊かずとも大体は想像がつくのだけれど」
「では、その想像にお任せいたします」
「おや」
「と言うよりも、本人に訊けばすぐに分かることでしょうに。ホント、仲がいいのだか悪いのだか。分かりません。あの組織でコンビまで組んでいたあなた達が」
「其れはもう言わない約束だろう」
カフェオレを飲み終わると
「もう少し話をしようじゃないか」
「あたしには、話すことなんて」
「あるのだろう」
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