出会い
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「莉音。今日からここがお前のいるべき場所だ」
お父さんに連れて来られた場所は
神奈川県、横浜でも最も危険な場所
擂鉢街だ。俗にいう貧民街でもある
「ここ?」
「あぁ」
「お父さんは、いつここに来てくれるの」
「俺はもうここへは来ない。お前だけが此処で暮らすんだ」
それだけ言って、車に乗って過ぎ去ってしまったお父さんをただ、見ていることしか出来なかった
その日の夜。少しでも暖かい場所へと行こうと
明るい方へ向かって行くが、ただただ寒いだけ
「やぁ。お嬢さん」
「!?」
声の方を向くと、黒い洋服を着た背の高い男の人が2人
「おい太宰。何でここに来やがった。特に用はねぇはずだろうが」
「いや。大いにあるよ。今、私たちの目の前にいる彼女にね」
「あ?」
ビクッとすると
「ただのガキじゃねぇか」
「彼女も異能力者だ」
「マジかよ」
「とりあえず、森さんに見て貰おう」
「何で」
「何でも」
あたしよりはるかに身長の高い2人は
スタスタと行ってしまうが、
小さいあたしは、ついて行くのに精いっぱいだ
「はあ…」
ビクッ
しゃがんでくれた包帯グルグルの男の人は
「早く来て欲しいのだけれど」
「む、無理ですぅ」
うわあああと泣き出したあたしに
「そりゃ、無理だわな
俺達とお前じゃ歩く速度がちげぇ」
グズグズと泣いていると
頭をポリポリとかいた包帯さんは
ヒョイッとあたしを抱え上げたのだ
「たかーい」
「「単純」」
車に乗ってほどなくして着いたのは
真っ黒いビルの中
「でっかーい」
「さっさと報告に行こうか」
其れと同様に先ほどと同じように
スタスタと行ってしまう包帯さんの後を追いかけていくあたしに
真っ黒い服を着た人たちは唖然としている
「わー」
可と思いきや、急に体が浮いたからびっくりしてしまった
「わりぃな。ちっと我慢してくれ」
それだけ言うと、すぐにボスと呼ばれている男の人の部屋に入って行った
「太宰君に中也君。任務お疲れ様。
で?その女の子は一体、どうしたのかね」
「異能力者です。放置すれば、横浜を凍らせてしまう可能性があるので」
「連れて来たと」
あたしをまじまじと見ているおじさんが怖くて抱えてくれているお兄ちゃんの体に顔を埋めてしまった
「おやおや。これはまた可愛らしいお姫様だねぇ
紅葉君なら、面倒を見てくれるだろうけど」
ピピピと鳴らした後
直ぐに来てくれた女の人はとてもきれいで
床に降ろしてくれたお兄ちゃんの
ズボンを掴んでいると
「此れはまた愛のう」
「?」
「可愛いって意味だ」
そう教えてくれたお兄ちゃんから離れて
女の人のそばに行くと
「おやおや。私には近寄っても来てくれないのに
紅葉君の傍にはすぐに行けるのだね」
「いいじゃろ。女同士じゃ。
して、名前は何という」
「莉音です」
「可愛らしい名じゃのぉ」
名前を褒めて貰った事なんて1度も無かった
「わっちが面倒を見よう。良いな?鴎外殿」
「構わないよ。莉音ちゃん」
「?」
「今は何歳だい?」
「6歳」
「「!?」」
「そうかい。紅葉君や太宰君に、此れからいろいろと教わって行くと良いよ。
中也君も、面倒見がいいから、いろんなことを教えてくれるだろう」
え?
「ようこそ。“ポートマフィア”へ」
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