ヤキモチ
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その日の夜帰って来た太宰さんは
「雪」
「あ、お帰りなさい」
「うん只今。鏡花ちゃんの非番の日なのだけれどね」
「あ、分かってる感じ?」
「来週だと言っていたよ」
来週かぁ
「大丈夫よ」
「其れと湯豆腐をご所望だ」
湯豆腐?
「あの子湯豆腐が好きなの?」
「そうなんじゃないかい?ポートマフィアでは食べていないのかい?」
「出した事はあるのだけれど、あまり食べなかったから好きじゃないと思っていたのだけれど」
「そういう事か」
「でもまぁ。鏡花のご所望なら湯豆腐作るわ」
「流石だねぇ」
翌週
ピンポーンと鳴ったチャイムのドアの先にいたのは鏡花ちゃんと、矢張り気になってついてきたのだろう。敦君と谷崎兄妹も一緒に居て
「いらっしゃい」
「お邪魔します」
そうは言って来た4人。太宰さんは当然今日は非番で
来たのもお昼時と言う事もあって
「先にお昼にしちゃいましょうか」
「勉強…」
「大丈夫よ鏡花。外で食べるのも勉強の一貫よ」
そう言ったあたしにあ…と言った人達。鏡花はきっと探偵社とか探偵社の下の喫茶処でしか食べていないのだろう
昼間とはいえ、真冬の寒い時期の昼間だ
「座って居てくれる?」
台所に立つと、デカいお鍋にお湯を沸かして鏡花のご所望である湯豆腐を作って行く
「いい匂いだねぇ」
「そうですわね。兄様」
「おやおや。もう来ていたのかい?」
「お邪魔しています。太宰さん」
「ふふ、うん。ゆっくりして言ってくれ給え」
そんな会話をしているのも微笑ましい所だ。お玉で味を確認すると
「熱いから私が運ぼう」
「ありがとう」
太宰さんが運んでくれて
「おぉ~~」
「鏡花のご所望の湯豆腐よ」
「ありがとう…」
「たくさん食べなさい」
頂きます。そう言って食べ始めた鏡花たちを背にして違うものも作って行く
「おや。今度は何を」
「太宰さん用に炒飯。湯豆腐だとあの子たちだけでなくなっちゃいそうだから」
「そうだねぇ」
太宰さんが椅子に座って鏡花の方を向いてくれると
「鏡花ちゃん?何故食べないのだい?」
「本当に食べていいのか分からない。あの時も、今も」
あぁ。そういう事。炒飯をお皿に盛りつけると太宰さんと同じテーブルに座ったあたしは
「大丈夫よ。鏡花」
「え?」
「安心して食べなさい。変なものを入れているわけじゃないもの
鏡花が食べたいと言ってくれたのだから、鏡花が食べなくて誰が食べるというの?」
そう言われてやっと食べ始めた鏡花
「おいしい…」
「善かった。何時でも食べにいらっしゃい」
「いいの?」
「勿論」