家出
お名前をどうぞ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「いっずみ~」
「はーい」
乱歩さんの声に振り向いたあたし
「ねぇ。お菓子、また買ってきてー」
お菓子?
そう言って乱歩さんの手元を見ると
デカい袋のおせんべいと
甘いものが机の上に幾つも乗っている
「どちらのを買って来ますか?」
「両方ともー」
「はーい」
財布をもって探偵社を出ると、下の喫茶処、うずまきで女給さんを口説いている男の姿
その男は。
「また、やってる…」
寂しくないわけがない。でもきっと、彼はそんなあたしの気持ちなんてお見通しなんだろうけれど
「はぁ…」
うずまきを見た後に、乱歩さんのお菓子を買いに何時もの駄菓子屋に行く。
「おやおや。和泉ちゃん。また乱歩君のかい?」
「はい。ありますか?」
「勿論だとも」
そう言ったおばちゃんは奥から大袋を3つ持ってきて
「また、沢山…」
「これ位でいいだろう?」
「はい。後は…」
幾つか、駄菓子も見積もって買っておかなければいけないのは乱歩さんが大の甘党であることだからだ。探偵社で知らないものはいないだろう
「はいよ」
「ありがとうございます」
支払いを済ませて、今度は和菓子を買いに行くのだが
「え?」
臨時休業の文字。
然も、此処は乱歩さんがお気に入りの和菓子が置いてあるところだ
「うわ…っ最悪だ」
どう、説明しよう?
「まぁ、乱歩さんなら駄々をこねてもすぐに戻るかな」
違う所の和菓子を買いに行くと、其処は丁度出来立てを置いていたところで
「すみません」
「はいよ」
そう、頼んだ量が量なのに、総て出来立てを出してくれたおじ様
「ありがとうございます」
「いいんだよ。久々にこんな可愛い娘に買いに来てもらったからねぇ」
可愛い?
そんな事、誰にも言われたことなんてなかったのになぁ
1/13ページ