クリスマス
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「あれ」
そう言った乱歩さんの指先は柚夢の方を指していて
「立ったまま柚夢ってば寝てるけど」
「「はい!?」」
そう言った乱歩さんの言葉に驚きを隠せていない敦と谷崎は柚夢の父である太宰の方に向いていて
「あー。完全に寝ていますね」
柚夢を抱えた太宰はパソコンに目線を映すと
「もう少しなのだよねぇ」
「診察室でもつかって寝かせてやりな」
そう言った与謝野先生の言葉に甘えて柚夢を診察室で寝かせた太宰はすぐに戻ってきた
「しっかしよくたったまま寝られるな。あれもお前の特技か」
「そんなわけないでしょ。立ったまま寝られてたのは柚夢の母親だよ」
「「!!」」
太宰の口から柚夢の母親と言う言葉が出てくるとは思わなかったのだ
「だが柚夢の母親は」
「うん。もういないのは本当の事だよ。元々体が弱かったのも知ってた。柚夢を産めば、自分の命がどうなることかぐらい分からない母親じゃなかったよ。
当然私としては反対をしたのだけれど、彼女は逆でね。柚夢を産みたいと言い切ったのだよ。だからどれだけ」
「柚夢が会いたいと言ってももういないと言っていたのか」
「うん。そして立ったまま寝ているのは彼女の癖と言うか、日常茶飯事でね」
「成程な」
生きていれば、彼女も娘の成長を間近で見ていてくれていただろう
なんて思っていれば、今日の仕事も終わって居て診察室から柚夢を連れてくると
「太宰」
「ん?」
「柚夢にはちゃんと欲しい物聞いておきなよ」
「え?」
「柚夢が太宰の娘なら僕たちにとっては娘でも妹でもあり社長からしたら孫娘と大して変わらない。僕たちが柚夢の願いを訊かないわけがないじゃないか」
「起きたら聞いてみます」
「そうしなよ」
太宰は柚夢を抱きかかえたまま自宅へ帰って行ったのだ。
車の免許もある。車も持っている。其れなのに歩いてくるのは柚夢とゆっくりした時間を過ごすためでもあるが国木田君に運転はするなと言われているのだ
「おい。クソ太宰」
「んー?」
訊きなれた声に反応するも嫌な顔をしたのは一瞬
「なんだ。君も今終わったのかい?」
「あぁ。見慣れた木偶がガキ抱えて歩いてりゃ止めるわ。俺でも」
「そうかい」