出会い
お名前をどうぞ
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両親に捨てられ、ある日の午前中
温かいうちに、体を日に当てようと擂鉢街を抜けた時だった
ドンとぶつかってしまった
あたしの体と、誰かの体
「いたた…っ」
「ごめんなさい…」
シュンっとして謝ると
「おやおや。コチラこそすまなかったね」
「太宰さん?」
「お嬢ちゃん。君のお名前を教えてくれるかい?」
「名前?」
「そう。君の名前だ」
そう言って来た包帯のお兄さんに
「何をしている太宰。
俺達は、例の異能力者を探さなくてはいけないのだぞ」
異能力者?
「まぁまぁ。お名前は言えるだろう?」
「梓紗…です」
「あずさちゃんか。何歳?」
「10歳」
「「!!」」
何をそんなに驚くのだろうか
「国木田君。乱歩さんなら彼女の事何か分かるかな」
「恐らくはな。ただ、あの乱歩さんがそう簡単に教えてくれるだろうか」
「だよねぇ」
ランポ?
其れにさっきダザイって…
「あぁ。すまないね。私の名は太宰。太宰治だ。
其れと彼は国木田君。同じ探偵社の一隅だよ」
そうなんだ…
「とりあえず。探偵社に連れて行こう」
「そうだね。怪我でもしていたら大変だ」
2人でどんどんと進めていく会話について行けず
ただ、呆然としていたあたしに
ひょいっと体を抱きかかえられてしまった
「10歳にしては体が軽すぎるね」
「何?」
「国木田君も抱えてみ給え」
クニキダと言われたメガネの男の人にも抱えられるが
「軽いな。軽すぎるだろ」
「与謝野先生に1度見て貰った方がいいな」
「そうだね」
抱えられたままのあたしは其の儘
“武装探偵社”という建物の中に入れ込まれてしまった
「ここは?」
「武装探偵社だ」
「与謝野先生はいらっしゃいますか」
「何だい?騒がしいねぇ」
「ほんとだよ」
奥から、2人の男の人と1人の女の人が出てきて
「この子を見て貰えますか?
10歳の割には体重が軽すぎて、先ほど、私とぶつかってしまったのです」
「はぁ…」
診察室に連れて行かれるといろいろな検査をしてきた女の人
「アタシの名前は与謝野晶子。あきちゃんって呼べばいいさ」
「あきちゃん?」
「そうだよ」
色々と調べ終わると
「さて、アイツ等がいる場所に行こうかね」
探偵社の皆がいる場所に行くと
ダザイさんもクニキダさんも椅子に座って居て
他の知らない人の傍にいるよりはと思い
ダザイさんの所へと向かって行く
「おやおや」
「国木田。太宰。一寸来な」
「「?」」
2人揃ってあきちゃんの所に行ってしまった
「可愛いですわね」
ビクッ
「大丈夫ですわ。何も致しませんから」
「本当?」
「えぇ」
「いたいことしない?」
そう言ったあたしの言葉にこの場の空気が若干下がったことに気づかなかった
「痛い事…ですか」
「うん。いたいこと。梓紗が間違えると、すぐにたたいてくる」
「「!!」」
「大丈夫ですわ。此処ではそんな事させませんもの」
その直後に戻ってきたダザイさんとクニキダさん
「何だい?この空気は」
「あ、太宰さん。実は」
ダザイさんの足にしがみ付いたあたしを見た探偵社の皆
「おやおや」
「大丈夫だよ」
「?」
「僕たちは何もしないし、痛い事もしない」
「本当?」
そう見上げると
「勿論だとも。ここにそんな事をする人はいないよ
其れと、梓紗ちゃんには此れから社長に会ってもらうけれどいいかい?」
シャチョウ?
首をかしげるとさっきの黒い髪の女の人と
一緒に来た着物姿の男の人が怖くて
ダザイさんの後ろに隠れてしまった
「おやおや」
「太宰。その後ろのは」
「例の異能力者ですよ。ただし、人見知りなのでしょう。
すぐに隠れてしまう。其れと、与謝野先生には見て貰いましたが
栄養失調を起こしている可能性も有ります」
じーっとあたしの方を見ている男の人
「名は」
「梓紗…です」
「着いてこい。乱歩。お前も同席だ。」
「何で僕?太宰でもいいでしょ。
懐いてるのは太宰にみたいだし」
じっとこっちを見ている社長さんが怖くて
顔を隠すと
ハァとため息をついた後
「太宰。ついてこい」
それだけ言って探偵社を出て行った社長さん
「行って来なよ。どうせ社長はもう知って居るんだ
美味しいものでも食べさせてもらって来なよ」
オイシイモノ?
「社長に限って外れはないのでは」
「ないね。まずありえない
其れに君の言う“痛い事”をキミにしてくる人材は
この社にはいないし、此れから会う人はしてこないよ」
此れから会う人?
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