8話
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お兄ちゃんの前で散々泣きはらしたあたしは
「このままでは目が腫れてしまう。下に冷やしに行こうか」
下に降りると、いつも通りの乱歩さんと心配そうな顔をしている敦君の姿があって
「大丈夫…ですか?」
「大丈夫」
「心配いらないよ」
そう言ったあたしとお兄ちゃん
「ですが」
「敦君。何か冷やすもの持ってきてくれる?」
「冷やすモノですか」
「うん。そうじゃないと茉白の目が腫れちゃうから」
あ…
冷蔵庫の中から、保冷剤を持ってきてくれた敦君は薄いガーゼの様なものに包んでくれて
「ありがとう」
「いえ」
お兄ちゃんに寄りかかって其の儘お兄ちゃんに目を冷やしてもらう
「キモチイイ」
「だろうね。あんなに盛大に泣かれるとは予想外だよ」
「茉白に話せばこうなるって想像はついただろ」
なんて話をしたお兄ちゃんと乱歩さん
「明日の学校は厳しいんじゃ」
「いや。今日中に腫れは退くよ」
「茉白も明日から学校に行かせる」
明日から学校か。なんて思いながらお兄ちゃんに抱き着くと
「今日の茉白は甘えただね」
「仕方がない。4年前と同じ状況を茉白は自分の目の前で再び見るなんて思いもしなかったでしょうから」
「4年前?」
4年前の事を知って居るのは敦君を抜いたあたし達3人だけ。乱歩さんに関しては、あたしの目の前で織田さんを引き留めてくれていたのに
「まぁ、いずれ分かることだよ」
「そう、ですか」
「4年前の事は茉白と私。乱歩さんしか知らない事だ。茉白は探偵社の誰にもそのことを打ち明けていないからね」
「え?谷崎さんや賢治君たちにもですか?」
「うん。話してないよ」
そう言われてしまえば
「茉白が皆と一定距離を開けたがる理由も其処等辺にあるのかもしれないしね」
「あ」
「ありがとう。お兄ちゃん」
「おや、もう平気かい?」
「うん」
起き上がって保冷剤を冷蔵庫の中に仕舞いこむとそのままキッチンに立って
「簡単なものでもいいですか?」
「構わないよ」
「そう言えば茉白の手料理を私と乱歩さん以外で食べるのは敦君が初めてだねぇ」
「はい!?」
「そう言えば作った事無いですね」
「探偵社に茉白が居るころは私も茉白の手作りのお弁当だったし時々うずまきで食べる程度だたのだよ」
「そうなんですねっ」