7話
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パトカーにお兄ちゃんと一緒に乗り込むと警察署の取調室の横に通されたあたし達。
あたしには何故か特別に椅子を用意してくれて
「此れは?」
「江戸川さんより彼女に出してやってくれと」
そう言われたのは珍しいからだ
「茉白。座らせてもらいな」
「うん」
ありがたく椅子に座らせてもらうと
「撃つつもりは無かったんです。彼女はある政治家の汚職事件を追っていました。
そこで予想外にも大物議員の犯罪を示す証拠品を入手したんです。然し、議員も老かいで警察内のスパイを使ってその証拠を消そうとしました」
「そのスパイが君というわけだね」
「昔から警察官に憧れていました。試験に3度落ちて落ち込んでいるときに男に声を掛けられたんです
“どうしても警察官になりたいか?”と。そしてその議員の力で警察官になった僕は、見返りに指示に従っていました」
なんて会話が聞こえているものの、先ほどの事もあり震えている体を押さえているのが精いっぱいだ
机をたたく音が聞こえてきても顔を上げる事も出来なくて
「其れでお前は議員の犬として山際を殺したのか!」
「違います!自分は彼女に警告を…此の儘では消されるから証拠を手放せと
しかし、彼女は証拠品を渡せと言っても渡してこなかった。その証拠を検察に証拠を渡そうとしていた。殺し屋が動くと僕が言っても
脅し方を変えたんです。先輩ではなく自分に銃を向けた。其れを止めようとした先輩は其の儘」
それで彼女を撃ったというの?
「此の儘では殺人犯。警察もクビになる。混乱した君の頼れる人物は皮肉なことに1人しかいなかった
電話した君に議員は証拠隠滅の方法を教えて、君はその通りに彼女の胸にもう2発撃ち、マフィアの仕業に偽装」
偽装。その言葉に落ち着いていたからだが再び震え始めてしまったのだ
「ぁ…」
「発見を遅らせるため、横浜の川に遺体を流した。横浜で見つけて貰おうと思っていたが、思いのほか川の流れが速く、この東京についてしまった。と言うわけだ」
だから一昨日だと言っていたのか。なんて震える身体で納得してしまったあたしに
「山際が入手した証拠品は何処だ?その議員は山際の敵だ。言え!杉本」
「ねぇ杉本君。彼女の最後の言葉当てて見ようか」
「茉白」
「おにいちゃん?」
「見てごらん。乱歩さんはいつも通りだ。探偵社の乱歩さんだろう?」
あたしを立たせてくれたお兄ちゃんは乱歩さんが見える位置まで連れて来てくれると
「本当だ…」
乱歩さんが立って杉本さんの所に行っていて
「“ごめんなさい…”だね?」
然も普段は目を見開かないのに今日は良く目を見開いている。翠色の目がカッコイイ
「本当に…」
そう言った杉本さんは涙を流していて
「全てお見通しなんですね。証拠品は僕の机の引き出しに全てあります」
そう言った杉本さんの言葉を訊いていた刑事さんは後であたし達が帰った後にでも見に行くのだろう
警察署を出ると既に夕刻になって居て
「世話になったな」
お兄ちゃんに引っ付いていると、乱歩さんに頭を撫でられながら大丈夫だと言われていて
「んー?」
「其れに実力を疑って悪かった。難事件に当たったらまた頼む」
「僕の力が必要になったらいつでもご用命を。次からは割引価格でいいよ」
「ソイツは助かる」
そう言ってもらうと、刑事さんは警察署の中に戻って行って
「茉白。帰るからしっかりと歩きな」
「もー一寸」
「茉白ちゃん珍しいですね。こんな姿初めて見ました」
「昔はこの姿がしょっちゅうだったのだよ」
「でも、どうしてこうなったんです?フラッシュバックとか言っていましたけど」
「茉白の大事な人が失われたときの事がフラッシュバックしたのだろう。彼は敵に銃を向けられ彼も又敵に銃を向けて発砲していた。
そしてその発砲が原因で彼は亡くなってしまったのだよ。[#dc=#]はそいつに偉く懐いていたと言うのもあって同じ現状で有れば何処に居てもフラッシュバックしてしまうのだろう」
「そう…なんですね」
「太宰」
「何です?乱歩さん」
「今日は茉白の傍にいていいよ。明日帰ってくればいい」
「ですが…」
「どうせいた所で何も変わらないだろ。だったら茉白の傍に居てやれ」
「ありがとうございます」
「茉白寮までは頑張って歩きな。寮に付いたらいくらでも引っ付いていて構いやしないよ」
「乱歩さんに引っ付いても文句言わない?」
「はい!?」
「言わない。言わないからしっかり歩いて」
お兄ちゃんの外套をしっかりと掴んで一緒に歩いて寮に帰りましたとさ
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