5話
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「何だい。怪我人は無しかい。つまらないねぇ」
与謝野晶子
異能力【君死給勿】
「なかなか出来るようになったじゃないか太宰。僕には遠く及ばないけどね」
江戸川乱歩
異能力【超推理】
「でも、この人どうするんです?自覚はなかったわけでしょ?」
宮沢賢治
異能力【雨ニモ負ケズ】
「うん。そうだな。どうする?太宰兄妹。一応、区の災害指定猛獣だぞ」
国木田独歩
異能力【独歩吟客】
「どうすると言われましても。あたしはどうせすぐに東京に戻ってしまうわけですし」
太宰茉白
異能力【斜陽】
「お前の頭の中には既にあるんだろ?太宰」
織田作之助
異能力【天衣無縫】
「ふふ」
「「「ん?」」」
「お兄ちゃん?」
「実はもう決めてある」
太宰治
異能力【人間失格】
「矢張りな」
少年の方を見たお兄ちゃんは
「うちの社員にする」
そう言ったのだ
「はぁ!?」
「おぉー」
「そうか」
「嘘でしょ?」
「嘘を言う私だったかい?茉白」
「平気で嘘を言って来るじゃん」
「酷いなぁ」
なのに
「何それ」
「やっぱり莫迦だな。太宰は」
なんて言ってる乱歩さんはあたしの方を向いていて
「いやぁ。今までの制服も似合ってたけど新しい制服も似合っているじゃないか。茉白」
「ありがとう…」
「何の権限があって貴様は…!」
「起きろ少年!」
国木田さんの言葉を無視して少年を起こしたお兄ちゃん
「ん…」
そう目が覚めたらしい少年は寝ぼけた様子で
「僕は…」
「敦君」
「あぁ?」
「変身中の記憶は全く無しかい?」
「何の事です?」
こりゃ、全く記憶がないと見た
「あ、でもまだ右手に残ってますね」
「右手?」
そう右手を見た少年はパニックになって居て
「何?ねぇ何々?何これ?何これ?何これ?やだやだやだあー」
そう言って自分の右手を振り回していて
「中島敦!」
そう言ったお兄ちゃんの言葉にはっとした表情をした少年
「此れよりキミは私たちの仲間になれ」
「え…」
「今日からキミは武装探偵社の一員だ」
その日の夜。遅いからと社員寮も空いている部屋を貸し出し。あたしも社員寮に泊まることに(まぁ、泊る予定ではいたけれどね)
翌朝
「おはよう。お兄ちゃん」
「あぁ。おはよう」
「今日は例の男の子の?」
「あぁ。入社試験だ。入社試験と言えば茉白は入社試験受けていないねぇ。昨日言っていたことと何か関係があるのかな?」
あ…昨日ミスった?この状況だと、探偵社に逃げてもお兄ちゃんに途中で捕まるのがオチだなぁ
でも、どうせ、今日探偵社に行った所で乱歩さんもいないしなぁ…
「早く言い給え」
「分かった。言う…いうからぁ…っ」
お兄ちゃんに脇を擽られ勘弁したあたしは事の話をすることに
「織田さんが亡くなったあの日。お兄ちゃんがあたしを見つけ出してくれたあの歩道であたしは織田さんに遭遇したの。その時一緒にいたのが、乱歩さんだった」
「な!?」
「織田さんがあの時全く気づいていないのに、乱歩さんの後ろにいたのに何も話してなんかいないのに気が付いたのは乱歩さんでなのに、あたしを見た織田さんはあたしに戻るように言って来た。きっとそう言えば戻るだろうって思っていたのかもしれないけど…」
「だろうね。織田作の事だ。私が森さんに頼んでいたことも知って居る1人だったしね」
「だからあたしも乱歩さんも織田さんを止めたの。行ってしまったら死んでしまうのが分かって居たから。あたしは、織田さんにこう言ったの。“あたしを置いて行かないで”って」
「!!」
「だけど、織田さんは其れを引き留めた。あの時はまだこれからがあるって。だけどそんな事あたしにはどうでも良かった。お兄ちゃんだけじゃないの。織田さんもいなくちゃ意味がないって思ってた」
「そうかい」
「その時の織田さんの言葉も忘れられてないの」
「織田作の言葉?」
「“元気でな”たった其れだけなのにその一言でフラれたんだな。あたしは想いを伝えることも無く織田さんに振られたの」
「なるほどね」
「その後に乱歩さんにこう言われたの。“もうしばらくしたらキミは僕に会うことになるから何も言わないよ”って」
「きっと、その時には、乱歩さんは決めていたんだろうね。茉白を探偵社員にすると言うことを。与謝野さんも入社試験は受けたことがないと言っていたから茉白もその部類だろう」
「そうだと‥いいな…」
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