5話
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「ただいま戻りました」
「帰ってきたか」
「「お帰りなさい」」
「大丈夫でしたか?」
「大丈夫です。一寸だけ、人込みで酔っちゃいましたけど…」
「それくらいならすぐに治るな」
奥から出て来た織田さんと目が合うと
「お帰り」
たったそれだけの事なのに凄くうれしくて
「ただいまっ」
「国木田くーん」
「何だ。太宰」
「茉白を明日休みにしてやってくれるかい」
「何故」
「東京に行くための準備があるからさ。兄である私がいない時に出来るものだってあるだろう?」
少し考えた後、そうだな。なんて言って休みに変えてくれた国木田さん
「ありがとうございます」
「構わん。気を付けて行けよ」
「はい」
「太宰は、明日から忙しくなるぞ」
「えー?なんでぇ?」
「例の虎探しだ」
あー。そう言えば、虎が出ているんだっけ。あたしも気を着けなくちゃいけないなぁ。なんて思いながら社長室に行くと乱歩さんもいて
「戻りました」
「大丈夫そうか?」
「少しずつ、頑張って行こうと思います」
「そうか」
「あの時の…4年前みたいになる前にちゃんと僕たちにも話すんだよ」
「ありがとうございます」
翌日、お兄ちゃんが出勤した後に部屋を片付け始めたあたし
「意外と少ないんだなぁ」
まぁ、どうせ行っても高校生活なんて残り2年って考えれば別に少なくても良いのだろうけど
午前中で終わってしまった片付けに明日から東京に行かなくてはならない
今日は織田さんがお休みなのは知って居る。だけど織田さんの所に急に言ったら迷惑になっちゃうかな…
「おやおや」
「支度は終わったのか」
「終わりましたよ。国木田さんにお兄ちゃんたちは例の虎探しですか?」
「あぁここらで目撃情報があるのだが一向につかめる気配がない」
押して駄目なら
「1度引いてみるのはいかがですか?」
「どう言うことだ」
「押して駄目なら引いてみろ。そう言いたいのだね?」
「うん」
「住民に危害が出る前に対処したいのだがな」
「茉白がそう言って外したことがないのもまた事実だよ。国木田君。そう言えば茉白は此れから買い物かい?」
「買い物と織田さんの所に行きたいからその支度」
「そうかい」
スーパーに行くと今日の夕飯の買い出しと織田さんが吸っていた煙草を買って寮に帰ると
もう暗くなると言うのにまだ帰って来る気配のないお兄ちゃんを夕飯を作りながら待って居ると
「たっだいまー」
「お帰りなさい」
袋の中に入っている織田さんの吸っていた銘柄の煙草を見つけ
「本当よく覚えているよね茉白は織田作の事を。織田作の事をよく見てるって言えば聞こえはいいのだけれどね」
「好き。お兄ちゃんが許してくれたら織田さんと一緒に生活をしたいくらいに」
「それは私が怒られてしまいそうだ。でもそうは言っても織田作を好きになって大分立つだろうに。別の人を好きになるっていう選択肢は今の処茉白にはないんだろうね」
「うん。お兄ちゃん、あたしはね織田さん以上に好きになれる人なんて現れないよ」
「そうかい」
きっと、この先何があっても織田さん以上の人なんて現れるかなんて分からない
4年前。亡くなりそうになった直前にあたしの兄だと言った。それは妹としてしか見てはくれていないということだ
「茉白」
「お兄ちゃん?」
「我慢はするなよ」
「え?」
「織田作はね、茉白の事をあの組織では誰よりも心配してくれていた。
兄である私よりも、安吾や森さん中也よりも誰よりも茉白が光の世界の方が似合うとそう言っていたのは織田作だよ
織田作はね、唯一5大幹部の前でそう言ってくれていた。茉白の事を誰よりお可愛がってくれている姐さん。面倒見のいい中也に茉白を孫のように可愛がってくれていた大佐。それに同じ幹部でも何も言わずともいろいろと目を光らせてくれていたらしいじゃないか。ヴェルレエヌさんだって。その幹部の前で茉白には光の下を歩かせてやるべきだ。相違手t暮れていたのは織田作だよ」
!!
「何処に居ても、織田作は茉白を見てくれているよ」
翌日、支度を済ませて朝の内に届いた制服を着てお兄ちゃんに見せると
「随分と可愛いね」
「でしょ?織田さんにもこの制服姿を見せてから東京に行って来るの」
「そうかい」
織田さんの好きな煙草を持って織田さんの部屋に行くと
「随分と早いな」
「今日から東京の学校に行くの」
「そうか。では、その制服も東京の制服という事だな」
「うん」
「似合っている。お前が何処に居てもお前が無事でいてくれるなら俺はそれで構わない。それは太宰も同じだ」
「うん。あのね?東京でもし、怖かったら帰ってきていいって。そう言ってくれたの乱歩さんとお兄ちゃん」
「どうしようもなくなる前にはちゃんと帰って来るだろ茉白なら」
「え?」
「今までがそうだったように、あまりため込みすぎるなよ。ため込みすぎる前に帰って来い。太宰たちはそう言っているならお前がどうしようもないと思うまで東京にいて1人で抱え込むのが分かってるからだ」
あ…
「だから、そうなる前に太宰でも江戸川の所でもいい。帰ってくればいいさ」
「織田さんの所に帰って来ても怒らない?」
「怒らないさ。怒る理由がない」
「ありがとう。「それじゃあ織田さん
それだけ言うと織田さんの部屋から出てきて下に降りるとお兄ちゃんが居てくれて
「もういいのかい?」
「うん。此れから東京に行かなくちゃいけないから」
「そうか。あまり無茶はするなよ茉白」
「うん。ありがとう。“行って来ます”お兄ちゃん」
「行っておいで」