4話
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そんな中、あたしに当てられた銃口からは白い煙。弾丸は空を裂いて直進しあたしの右肩に当たってしまった
眉間に当たらなかったのは織田さんが国木田さんの銃を撃っていたからだ
「…っ」
あたしから離れて行った国木田さんは携帯を開いて驚いた顔をしている
「もしもし」
「しかし、今は」
然し次の瞬間国木田さんの表情が変わった
「何時まで蹲っているつもりだ。起きて働け」
「人の肩に銃を当てておいて良く言えますね。帰ったら社長と乱歩さんに言いつけます」
そしてあたしが国木田さんに心を開くことはないだろうと思っている
「次の危機かい?」
「ああ。真犯人より飛行機を墜落させると脅迫が来た。お前たちがこの脅迫の黒幕でないなら手伝え」
「国木田君ならきっと其れで撃つと思っていたけれど、まさか本当に命中するとは思いもしなかったよ。おかげで茉白が怪我を負ってしまった」
「だが、何故分かった?俺は社長から全く同じ拳銃を下賜されていた。そちらで撃つとは思わなかったのか」
国木田さんの持っていた拳銃はお兄ちゃんの手によって手帳の頁に戻って行った。
それでも撃っている物には変わりなく、当たった個所は痛いのだ
「あの位置で茉白が本当に傷を負えばもっと酷いことになっているだろうし、痛みだってこんな物では済まされない」
「確かに当たりはしましたけれどただの空気砲と同じと思えばいいだけの話です」
「国木田君が言っていた言葉の返事は信頼だよ。慎重な国木田君がいきなり本物の銃で脅すはずがないもの」
「お前が言うと信頼という言葉が汚れるな」
そして撃たれたはずの弾丸もお兄ちゃんの手によって頁へ戻って行った
「最初に気づいたのは」
「お前の台詞からだ」
まぁ、確かにお兄ちゃんがあんな台詞を言うなんて思いもしなかったけれど
「それともう1つ。この万年筆は起爆スイッチではなく、盗聴器だな」
「ご名答」
「何時すり替えられた」
「釣具屋さんの所で野次馬をかき分けたでしょ。あの時の1人に。全く、本当の愛用の万年筆だったのだよ。弁償させてやる」
「盗聴器を入れられると同時に蒼色旗も仕込まれたのか。お前の事だ。敵が接触すると知って居てただすれ違うだけという事は無かったのだろう」
「勿論。。寧ろ私がずっと黒幕役を演じてきたのはその瞬間の為だよ。
盗聴器を仕込む為に接触される刹那を狙い逆に相手に座標発信器を取り付けてやった。私を出し抜こうなんて2千年はやいね」
やっぱりお兄ちゃんはお兄ちゃんか。お兄ちゃんは相手の魂胆をすべて読み切っていたのだ。流石は元ポートマフィア幹部で森さんの元右腕なだけある。そして、ポートマフィアの時期首領候補に挙がっていただけの男だ
「最初に気づいたのは廃病院の監獄で瓦斯が発生した時だね。あの時、私は未だ電子端末に触れていなかったのだよ。其れなのに瓦斯が発生した。という事は犯人は私たちの状況を把握していて恰も私のせいで毒瓦斯が散布されたように見せかけるべく、仕掛けを遠隔操作したことになる。敵は何故そんな事をするのか。私の疑いはそこから始まった。状況を理解するのにさほど時間はかからなかったよ」
「そして、お兄ちゃんに盗聴器を仕掛けたこの敵は一切表舞台に出てこない。敵を特定する証拠も追跡する好機も徹底的に潰されている。でも、そんな敵にも1度だけ外部と接触しなければならない瞬間が有った。操り人形を造る時ですね。真犯人と接触する好機は運転手、爆弾魔。つまり実行犯にのみ一瞬だけ許されている」
お兄ちゃんと織田さんがこの手の事でしくじったことはないとはいえ、探偵社では初の仕事で任務だ
「ならば尻尾を掴むためには、自ら実行犯となるしかない、国木田君がその真相に気づいてくれなければそのまま犯人として投獄されるところだったよ。然も可愛い茉白を置いて投獄なんて以ての外なのだけれど」
きっと黒幕の人は今この瞬間盗聴器が機能していない事も計画通りの結果であり何の問題もないと思いたいけれど…
「さて、盗聴器を仕掛けた敵は今、笑いが止まらないだろうね。予定通り私と茉白、織田作は疑われ身内によって断罪された。そして、この瞬間は敵が次の手を打つのに絶好の時だ」
お兄ちゃんの言葉に頷いた国木田さんに
「その脅迫文を書いたはずの私は、つい今しがた国木田君が撃ち殺して
「そうだ。本来の敵の筋書き通りならば、そうなっていた」
「ただ敵のミスは1つ。相手がよりにも寄ってお兄ちゃんでなければですが」
「方法は1つしかない。お前が仕掛けた座標発信器を追って敵の本拠地を直接叩く」
「奴等に一泡吹かせてやろうじゃないか」
そう言ったお兄ちゃんはあたしの方に手を差し伸べてくれて、其れがまるで、織田さんに手を差し伸べた時のままの姿に見えてしまった
「国木田さん」
「何だ」
「盗聴器と無線妨害機を貸してください」
「どういう」
「成程。国木田君。確かにその盗聴器と無線妨害機はここに置いて行こう」
「だから」
「敵に悟らせないためだよ」
そう言ったお兄ちゃんの言葉に盗聴器と無線妨害機を廃倉庫に残して車輛に乗り込み、お兄ちゃんが携帯式の発信器追跡端末を起動させているのを合図に移動も開始する