4話
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「私が驚嘆したのは、石油保管施設を狙うと言った手口の斬新さからでも、乱歩さんの異能力の為でもない」
斬新さからでも異能力の為でもない?
「では何だ」
「何より驚きなのは、乱歩さんのあれは異能力じゃないって事さ」
「!?」
異能力じゃない?
「莫迦を言え。異能力なしにあの様な仕業が出来るものか」
「だから凄いんじゃないか。実は私はね乱歩さんが超推理をしている間、後ろでこっそり髪の毛を摘まんでいたのだよ」
本当に異能力か確かめたのか
「だから斬新さからでも、異能力の為でもないってお兄ちゃんは言ったの?」
「その通りだ」
「何?」
「知っての通り私は触れた相手の異能発動を阻害する
「つまり、乱歩さんの超推理は異能力ではない?」
「では」
「アレは推理だ。1個の人間が観察と推断を基礎として一瞬で論理的結論を導き出したのだよ。横浜の地図、アラムタの資料、火災に関する知識。手持ちの情報を結合させ結論を一瞬で導き出したのさ
恰も推理小説の名探偵の如くに…否名探偵が活躍するのは凡ての事件が終わった後、本の最後だ。
ならば現場に行かず容疑者にも逢わず、ただ資料を一瞥しただけで爆弾の居場所を看破した乱歩さんは凡庸な名探偵程度では手の届かない恐るべき推理力と観察力を有しているという事になる」
「そんな事が有りえるのか?」
確かに、普通の人間ならそんな事あり得るはずがない。でも、森さんやお兄ちゃんみたいな人がいるから乱歩さんのような人材が居ても可笑しくはないのかも
「私が感嘆したのはそこさ。異能力者ならば唯の現象さ。関心こそすれば驚きはしないよ。けど、乱歩さんのあれは誰もが持つ思考力を働かせた結果なんだ。
アラムタが米国諜報員の監視を蒔いて姿を消したのが2日前。となると、石油施設中枢に入り込む許可証や内部業者としての偽装は間に合わなかっただろう」
「1番簡単なのは、現金を使う事。現金を使えれば
「爆弾の有効殺傷範囲が200
「件の釣具屋という訳か」
行き成り、車の急ブレーキを掛けた国木田さんは
「電話だ。もしもし」
「六蔵か。如何した?」
そんな中あたしの携帯もなって
「はい」
「やあ茉白ちゃん」
「乱歩さん?」
「いいかい?茉白ちゃんは既に
「分かりました」
「また連絡する」
そう言って切った電話の後
「何の内容だったの?国木田君の口調からして六蔵少年かな」
「少し黙れ」
何かを考えている国木田さんは其の儘運転を再開させ
「太宰兄妹」
「何?」
「何ですか」
「少しより道をするぞ」
その言葉を言った後あたしたちの返事も訊かず賛同へ車を乗り入れた国木田さんはある廃倉庫の前に来た国木田さん
「此処は」
「以前に仕事で使った倉庫だ」
へぇ。なんて思っていると
「嘗ては工業資材の保管倉庫だったが、会議彩生店に伴い打ち棄てられた。今では誰も近寄らん。秘密の会話をするのには持って来いだ」
「ふぅん。其れは嬉しいね」
お兄ちゃん何を企んで…
「降りろ」
車を廃倉庫の中まで入れ停車させるとそう言って来たのだ
「妹の方もだ」
仕方なく車から降りると
「静かな場所だねぇ。本当に秘密の会話にもってこいだ。それで?此処で男の話?」
そう言った矢先、国木田さんに拳銃を突き付けられたあたし
「な!?」
「茉白に向けているその拳銃は何?」
「当てて見ろ」
「待ちたまえよ。この手の冗句は君は嫌いだと思っていたけれど」
「ああ。嫌いだ。冗句ならな」
「なら、この銃を降ろしてくださいませ」
「先刻の電話で何か言われたね?それが何にせよきっと勘違いだ内容を聞かせて貰えれば誤解だと分かるだけの説明が出来るよ。
そして、其れを降ろさなければ、もう2度と茉白から国木田君は心を開いてもらえなくなる。同じ社員だと言うのにそれでは困るだろう?」
「そう願う」
そう言った国木田さんは銃の引き金に力を込めていて
「最初の廃病院で瓦斯で被害者が死んだときお前たちは監視映像に顔が映るのを巧みに避けていた。何故だ」
「そんな事?あの
「そうか?最初から監視装置の位置と目的を知って居たのではないか」
「2つめ。爆弾犯を見つけるために大使館に行くべきと提言したのはお前だったな。
何故すぐに思いついた。アラムタの事を予め知って居たのではないか?」
「いやだなぁ」
そう言ったお兄ちゃんは
「さえてると褒められたこと程、疑われるいわれは無いでしょう。そんな理由で疑われて茉白は銃を向けられているの?その銃を降ろしたまえよ。出なければ…」
お兄ちゃんの後ろに見えた人影。それはあたしを安心させるには十分な人材で