4話
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「おい、太宰兄妹。今のはなんだ」
「知らないよ。私に訊かれても」
「だが、妹の方に関しては過去に乱歩さんに会って話もしている素振りではないか」
「2年前。大事な人をあたし達兄妹は亡くしかけました。その時に出会っているのがあたしと彼ですよ。あの人を引き留めてくれたのも又彼です。あたしが止めた所で何もできませんでしたけど」
あの時織田さんを止めてくれた人が本当にこの人だとは思わないけれど、あの時の彼は、眼鏡をかけていたし、今の彼は眼鏡をかけていない
「処で、あの乱歩さんって方はどんな異能力者なの?」
「そう言えば太宰兄妹にはまだ話してはいなかったな。乱歩さんは【超推理】という異能力を所持している見ただけで事件の真相が浮かぶと云う凄まじい能力だ」
「本当にそんな能力有るんですか?」
「ある。市警や軍警、官吏の上層にも信奉者は多く難解な事件がある度、乱歩さんに依頼が来る。探偵社を支える異能者だ」
そう言った国木田さんを他所にあたしもお兄ちゃんも
「俄かに信じがたいですね」
「そんな能力」
まぁ、ポートマフィアであの森さんの変な異能を見ているよりはよっぽどましかもしれないけれど
「見ていればわかる」
「国木田!僕の超推理で看破するのはその爆弾が何処にあるか。でいいの?」
「はい。時間がありません。爆弾の在処が最優先です。其れさえ分かれば俺達が解除します」
「このアラムタ君が何処に居るか、は調べなくても善いのね
「何よりも先ずは爆弾です」
「宜しい。あっはっは。悪いねl僕が現れたからにはもう君たちの活躍
お兄ちゃんが渡した眼鏡をかけた男の人は4年前、織田さんを引き留めてくれたあの男の人の姿で
「…………分かった」
そう呟いた男の人は
「本当ですか?」
「釣具屋さん」
釣具屋さん?
「そうか。成程」
「そういう事ですか」
そう言ったあたし達に理解が追い付いていない国木田さん
「僕の凄さに感動しただろう?新入り君兄妹」
「はい。素晴らしい。乱歩さんは間違いなく稀代の名探偵だ。最高です。探偵社に入ってよかった!さぁ、行こう。何を惚けているのだい国木田君。今ならまだ日没に間に合う」
「おい、太宰。しかし」
「お兄ちゃんの事だから、移動しながら説明してくださるのでしょう?」
「勿論。早く」
「頑張ってねー」
なんて言っている男の人とお兄ちゃんに手を引かれて出て行く国木田さん。そしてその後を追うのがあたしだ
国木田さんを運転席に座らせて、助手席にはお兄ちゃん。後部座席にはあたしだ
「説明しろ太宰兄妹。如何いう事だ」
「説明はもちろんするけど、国木田君も乱歩さんの推理を疑っている訳ではないのでしょ」
「あぁ。乱歩さんの推理なら間違いない。爆弾は釣具屋にある。だがお前たちが信じた理由はなんだ。特に妹の方だ」
「まぁ、その釣具屋さんの地図を見れば明らかだよ。茉白に関しては、今は何も言う気はないみたいだけれど」
「何だと。俺を験すのはよせ。考えることが山ほどある。結論を言え」
「私も資料を見て考えたのだけれど、爆弾魔たるアラムタは各国で大規模な爆破事件を起こしているよね。
然も彼は同じ場所での爆破を2度と行わない。観光地では高級
「その土地では標的に対して最大効果を得られる場所を常に選んでいます。では今回狙うのは何処か。という事ですが」
「もったいぶるな早く言え」
結論を急かすのは国木田さんの悪い癖でもあるのだろう
「地図あるでしょ。茉白」
座席の後ろから地図を出すと
地図を見ないで
「97
そう言ったお兄ちゃんと頁を開いたあたし
「アラムタの標的は、石油
「そうか!何故気づかなかったんだ」
「日本有数の港湾都市たるこの横浜には、石油と天然瓦斯を補完する広大な敷地が並んでいる。
もし、その石油保管施設付近で爆発が発生し、
「車に爆弾を乗せて石油施設の近辺に放置する手管。積載できる爆弾の有効範囲からその条件に合致するのが件の釣具店という事ですね」
「ご名答。流石は私の妹だねぇ」
そんな中鳴ったのはお兄ちゃんの携帯で
「軍警の爆弾処理班が爆弾を見つけたが、移動不可能なタイマー式で日没までの解除は難しいと言っている。付近の住人を非難させているが間に合うかどうか」
「成程。お前が乱歩さんに感心したのはその推理が的確だった為か」