4話
名前を入れて読んでね
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌朝お兄ちゃんは、佐々城さんと一緒に下のうずまきで話を聞くと言っていた
今日は織田さんはお休みだ。亡くなった子供たちのお墓参りに行くと言って早朝から出て行ってしまっている
「おはようございます」
「おはよう。この事件が片付いたらまたちゃんとに学校に通えるから頑張んな」
「はい」
荷物を席に置くと会議室に召集されたあたし達
「全社報告議事を始めます。
事の次第は各員手元の資料を参照していただきたい。掻い摘んで申しますと探偵社を標的とした脅迫、および探偵社への醜聞攻撃が発生しております」
「探偵社がヤバイってのは知ってるさ。爆弾事件とやらのあらましを話しなよ」
そう言って来たのは探偵社で女医の与謝野
パソコンに送られてきた文面は昨日お兄ちゃんと例のビルに行った時に見た内容と全く一緒だ
「胸糞悪い文面だねぇ」
「与謝野せんせいに同意見です」
「兄の方は如何した。兄の方は」
「お兄ちゃんなら、佐々城さんと話がしたいと下の喫茶処に居ますよ」
「まだ、女史は一緒にいるのか」
「いえ。ビジネスホテルを取ったからと。今は一緒に住んでは降りませんが」
「そうか」
「だが、与謝野先生と同意見とはどういうことだ」
そう言って来た社長に
「先日の廃病院に於ける監視装置の事実を考えると明らかにこの“蒼の使徒”と名乗る依頼人こそ探偵社の評判を貶める映像を各所に配布した犯人であり今回の爆弾脅迫の主犯です。
『探偵社が爆弾を見つけ解除できなければ、前回と同じように失敗を世間に散蒔く』との脅しにあたしは思います」
「そうか。犯人の目的は探偵社の看板を貶める事か」
「おそらくは」
種田長官と安吾君が進めてくれたこの探偵社だ。あたしもお兄ちゃんも、長官や安吾君に恩を仇で返す様なことはしたくない。
“人を救う側になれ。茉白には光の下が似合う。こんな闇の世界よりもな”
そう言ってくれた織田さんの為にも、光の下で生きていくって決めている
「爆弾の設置場所の目星はまだ付かぬか」
【爆発で100余名を殺傷可能な場所】
「監視映像の線からは如何だ」
「監視装置、或いは盗聴装置。何れも
そう言ったあたしにどういう事だとでも言いたげな顔をしている3人は
「形状も、
こんな事していたのはポートマフィアで幹部をしていた時のお兄ちゃんだ
「弱点は」
「ありますよ。爆弾以上に賽子や万年筆型となれば発見が難しい為、現実的には難しいでしょう」
「其れらしいものを購入した者は」
「念のため卸業者にその手の装置の大量購入者がいないか直ぐに問い合わせます」
そう言った事務の女の人は会議室を出て行って
「蒼の使徒。なる名に該当する犯罪者は」
「それも今の処ありません」
蒼の使徒、お兄ちゃんに話を聞くまで実在するなんて想像もしなかったけれど
「爆発と同時に、介助に失敗した探偵社の醜聞、あっという間に一斉に広まるって寸法だと来たもんだ
槍でも大砲でもそよ風同然の探偵社だが、この手の攻撃にはどうしたって弱いからねぇ
乱歩さんへは未だ連絡が附かないのかい?」
「今朝連絡が附いた。九州の事件も佳境のようだ。此方に戻る手筈でいるが、日没までに間に合うかは厳しい」
全員訊け。そう言った社長は
「捜査対象は2つ。攻撃者たる蒼の使徒の発見。そして爆弾の除去だ
優先すべきは時間機嫌のある爆弾である。もし発見がかなわず、人命が失われたなら我らに探偵社を名乗る資格はない
此れは武装探偵社の存続とプライドをかけた戦いであると認識せよ」
探偵社を出ると。下の喫茶処、うずまきに入ると
「お兄ちゃん」
「遅かったではないか」
「今ちょっと前まで話をしていたからね。おはようございます。佐々木さん」
「おはようございます。ですが宜しいのですか?」
「何がですか」
「事務所は爆弾騒ぎで大変なご様子ですし、国木田様も早朝より連絡に調査にととてもお忙しそうでしたが」
「まぁ、国木田さんは仕事が命って感じの人ですからね。今も会議が終わってすぐに出かけて行きましたけれど」
「おや」
「でもきっとすぐに戻って来そうな気がしますけどね」
「私もそう思う」
「どうして、そう思われるのですか?」
そう聞いてきた佐々木さんに
「だって、携帯だけ持って出るなんて可笑しいとは思いませんか?」
「確かに」
「だからすぐに帰って来るのですよ」
そう言ったあたしにそうですねと返事をくれた佐々木さん