4話
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「譬えるなら、大企業が微妙な管理をしてる供給市場に、個人事業者が突然割り込んで市場を引っ掻き回した訳だね。するとどうなるか。茉白ならそこまで言えば分かるだろう?」
「大企業が怒る。表社会なら健全な競争。けれど界隈の臓器供給を担う親元は、裏社会の血液と暴力を貨幣とする連中ですね。自分のシマを荒らされた奴等は怒って当然」
「それで、保護して欲しい目的は?」
「実は誘拐した者の中に、ポートマフィアの関係者がいたらしいのです」
そりゃ、拙いに決まって居る。ポートマフィアは関係者でも、傘下でも大事にするハズ…そんな中、銃の連射音が聞こえてきて
「ウワッ」
「ポートマフィアの連中か?」
「奴等だ!ひぃっ」
そうも言っている間になおも続く射撃音
「死にたくない!」
そう言ったタクシーの運転手は慌てたように運転席から逃げて行って
「国木田君。運転手を逃がしても死なせても事件の真相は藪の中だ。敵より先に捕まえないと」
国木田さんにそう言ったお兄ちゃんは
「私と茉白で運転手を追うから織田作と国木田君は連中を引き付けておいて」
そう言ったお兄ちゃんは車のドアを開けて
「いいかい。行くよ茉白」
「うん」
車から出たあたし達に
「待て!単独行動は危険だ!太宰兄妹」
そう言った国木田さんの言葉に
「大丈夫ですよ。あたしとお兄ちゃんにはあの銃弾は当たらない。掠り傷すら残りませんから」
「傷なんかつけたら怒るぞ」
「はーい」
「!?」
「あの人たちをお願いしますね」
そう言ったあたしはお兄ちゃんを追って行き
夕刻あたし達兄妹と織田さん、国木田さんは合流しており
「太宰兄妹。運転手は捕らえたのか?」
「勿論。さっさと縛り上げて軍警に縛り渡したよ」
「尤も、犯人もこれでマフィアに暗殺されずに済むって喜んでましたけど」
ホッとしている国木田さんを見て何かを思う事があったのだろう
探偵社に戻ってきたあたし達は
「ならば一連の事件の犯人はあの運転手と言う筋書きで幕か。今日は働く気にもならん。雑務を終えたら飲みに行くぞ」
「先輩の驕り?」
「嫌な後輩たちだ。奢ってやるから明日は真面目に働け」
国木田さんがパソコンに目を通した後、あたしもお兄ちゃんと一緒に同じ文面に目を通していた
「太宰兄妹。織田」
そう言われた直後、自分たちが呼吸を止めて文面を見ていたことに気が付いた
「飲みは中止だ」
「えー?私もうその積もりになっちゃって胃が酒杯の形に凹んでるよ」
「依頼が来た。廃墟に俺達を誘導した例の匿名からの依頼人からだ」
国木田さんがそう言ったのを訊いて顔を見ると冷や汗をかいていて
「国木田さん?その依頼がどうかしたのです?」
「依頼は爆弾解除。明日の日没までに爆弾を見つけ解除せねば“100人以上が死ぬ”」