4話
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「そう。ここだ。お前は此処でタクシーに乗った被害者に睡眠
「いやいや。お待ちください。確か調査では被害者の方々は自らの足で歩いて何処へともなく消えたと。乗り物に乗った形跡や施設に入った記録も無かったと。そう聞いておりますが若し、被害者が皆このタクシーに乗ったのであれば通話なり。乗り込む処を誰かが記憶されているのでは?」
「いいえ。間違いなく今回の被害者はこのタクシーに乗られていますよ」
「どういう」
「市警がいくら調べてもその記録は出ない。調べる日付を間違えていたからだ。被害者が乗り込んだのは彼らが失踪した日ではない」
「一体、何が目的なんですか」
「まぁ、目的なら想像つく」
「え?」
想像がつく?
「出荷だよ」
出荷?何のために、出荷なんて
「売り飛ばすのですか?」
「あぁ。裏社会には臓器密売の闇市場がある」
「…っ」
「海外市場で売るから日本円ですごい値が付く訳じゃないけど、単独犯なら人財産だよね」
「いやいや。それなら被害者の足取りを追う市警が気付かないはずがないでしょ」
「いいえ。誰もこのタクシーには注目してなかった。何故なら被害者が姿を消し、足取りが確認できなくなるのは次の日以降だからですね
貴方はこれだ。というお客さんが乗れば瓦斯で気絶させ、アジトに監禁し荷物と衣類を奪う。
廃病院にいた男性被害者もそして佐々木さんが下着姿だったのはその為ですね
そしてその奪った衣服を着て被害者に成りすまし、宿泊予定だったホテルにチェックインして、態と監視映像に映る。被害者は皆あなたと同じ背格好でしたしね」
「帽子や眼鏡の被害者が多いのも返送しやすいからだろ
監視カメラの映像にそれらしい映像が映って居れば、当局は誤魔化せる
映像に被害者の最後の姿が映っているとき本当の被害者は既に誘拐されていたんだ」
「ご物体な。そんな理屈で考えただけの仮説を披瀝いただきましても、証拠が…そう、証拠がありません」
「どうでしょう。佐々城さんの誘拐も同様にあなたの単独犯でなら可能ですよね」
「佐々城女史の誘拐するのはもっとも簡単で、予想外の幸運だったでしょ。
普通、昏倒した病人が居れば周囲の人間は救急車を呼ぶ
だが救急車は病院から駆け付けるには時間がかかる。しかし、現場は駅。
駅で倒れていた彼女は、居合わせた善意の有志によってタクシーに乗せられた」
「貴方達が云うのは全て状況証拠です」
「まぁ、そうですね」
「どうする?国木田君」
「貴様、本気でそんな事」
「僕の家から凶器が見付かった訳でも、犯行の瞬間を捉えた映像が有った訳でもない。それでは僕を起訴は出来ても有罪には持ち込めません」
「まぁ確かにそうですね」
「どういう意味だ」
そう言って来た国木田さんに
「運転手さんと被害者を結びつける物的証拠、つまりは血液、指紋、映像記録、犯人しか知り得ない情報が必要。今の所そこまで確かな物的証拠がない。
それどころか嫌疑不十分で不起訴処分になりかねない。まぁ、証拠は徹底的に隠滅しているのでしょう?」
「な…っ」
運転手さんの口ぶりだ。証拠隠滅は徹底しているのだろうと踏んでいるのはお兄ちゃんも同じだろう
「取り引をいたしましょう」
「取り引き?」
「条件を呑んで頂ければ、僕は自主致します」
「どういう」
「武装探偵社で僕を保護してください」
「保護?」
「探偵社が僕を依頼人として警護し、安全保障する事です。期限は僕が検察取り調べを終え、取引による証人保護が成立するまでの72時間」
「証人保護取引だと?どういう意味だ」
「その3日間の間に何かが起きる、若しくはその間に殺される。かの2拓?」
「時間が…有りません。僕はそそのかされただけなんです
振興の臓器密売組織とやらに“うまい話がある。絶対にばれないから”と…なのに!
僕は殺される。彼奴等に殺されるんだ」
「黒幕がいるのか?そいつらの居場所は」
「分かりません」
黒幕の居場所が分からない。ポートマフィアにいた頃だったらお兄ちゃんはあらゆる手段を使ってでも吐かせていただろう
「ただ、取り引きはいつも港湾中央ビルで…」
ポートマフィアの…縄張りだ…
「あそこか」
「あんな連中と取引するんじゃなかった。故人が何の後ろ盾も無しに臓器売買ビジネスに手を出したから、奴等の逆鱗に触れたんだ!拙い…拙いんです。
そう言った運転手さんの言葉は焦っているようにも見えていて
「成程。そういう事だね」
「どういう事?お兄ちゃん」
「奴は何を言っている!」
「其の儘だよ。茉白なら分かると思ったのだけれど、彼は臓器密売組織に売っていたんだ。けど僅かひと月の間に大量の商品が出回ったために臓器が一時的に値崩れを起こして相場が混乱したのだよ」