4話
名前を入れて読んでね
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「助けてぇぇぇ」
という悲鳴だった
「今の声は」
「こっちだ。急げ!」
さび付いてしまっているボロボロの階段を下って行くと
「何だ、此れは」
鉄格子の中にいたのは下着姿の女性で
「鉄格子を壊さないと」
そう言ったお兄ちゃんと水槽の中にいる女性と目が合ったあたし
「ちっ」
そう小さく舌打ちをした国木田さんよりも早く
織田さんが腰から拳銃を取り出したのだ
「…!?」
「茉白良く見てごらん。あの時とは現状が違う」
「でも…」
それでも怖くて耳を塞いだあたしにまで聞こえた2発の銃声と共に助け出した女性。
「ゴホッゴホッ」
とせき込んでいるのを
「大丈夫ですか?」
「ありがとうございます。助かりました。佐々城信子と申します。東京の大学で教鞭をとっております」
教鞭って事は、先生?
「貴方を誘拐した犯人の顔は見た?」
「溺れさせようとしていたようですけれど」
「すいません。私誘拐されたのです。仕事で横浜を訪れた日、駅で急に気を失って気づいた時には此処で、こうして水槽の中で溺れかけていました」
!?
「其れよりも、この建物には同様に捕らえられた方がいるはずです。声を聴きました」
声を訊いた?
「太宰兄妹。織田これをどう見る」
「佐々城さんの格好がエロイ」
「真面目に!」
「出来過ぎているとは、思いますけど」
「どういう意味だ」
「あたし達はこの廃墟に謎の声や光を調べに来たはずです。なのにもう1つの事件“横浜失踪事件”の被害者をこの廃墟で発見した」
「茉白の言う通りこの2つの事件は別個の事件のはずだ」
「ただ私たちが担当しているという一点を除けば」
「佐々城さん」
「はい」
「犯人を最後に見たのは何時?」
其れが分かれば大きな手掛かりになるかもしれないと思ったのだが
「申し訳ありません」
え?
「姿をきちんと見たことは1度も…」
嘘でしょう?そう思っていると
「ですが、私が気づいた時には水槽の蛇口が捻られ水が顔面近くまで貯まって居ました」
そんな…
「恐らく私が目を覚ます5分ほど前に犯人自らが蛇口を開いたのだと思います」
「なら犯人はつい
「そう言うことになるね。我々が近くを歩いていることを犯人が気付かなかったとは思えない」
「まぁ、其れはそうだね。特に織田作には通用するとは思えない」
「では何で犯人はこんな事を?」
「俺達の存在を知って慌てたか。或いは周到な罠か」
罠…
「佐々城さん、先ほど他の人の声を聴いたと言っていましたよね?」
「えぇ。水槽で溺れかける前に確かに声を聴きました」
「何?」
お兄ちゃんたちと手分けをして、あらゆるドアを開けて行くと
「お兄ちゃん、織田さん。国木田さん。居ました!ここです」