4話
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翌朝、探偵社に入ると
「おはようございます」
「あぁ。昨日学校の方は」
「茉白の事だ。良いところに行けると言われたのだけれど探偵社に近い所で茉白は学校を探したいらしい」
「そうか。だが探偵社の近くのいい学校なんてない気もするのだが」
「ないねぇ。だからちゃんとした進路を決めるまで少し話し合って考えるとだけ伝えてきている」
「そうか」
ガチャリと開いたドアから出て来た事務の女の人
「国木田さん。社長より、本日の依頼です」
そう言って依頼書を渡されているのだがお兄ちゃんには懸念があったらしい
「茉白」
「はい?」
「善く見給え」
お兄ちゃんに言われた通りよく見ると依頼書なのに、依頼人の名前が載って居なかったのだ
「ひょっとして依頼人も怨める悪霊だったりしてそれで騙された私たち探偵を幽霊屋敷で待ち構えてパックリにひと呑み――」
「愚か者め。幽霊が
夕刻外に出ると
「太宰。何をトロトロ歩いている。もう少し急げ」
そう言った国木田さんはあたし達の前を歩いていて
「出ないよね?」
「出ないだろ」
「相変わらずだね茉白は」
「だって、怖いんだもの」
お兄ちゃんがあんな話をするから
「約束の時間まであと2分15秒しかないのだぞ」
「それは大変だぁ」
なんて言っていると訪れたのはある少年の場所で
ある一室の前に来たあたしたちは潮風にやられてしまった鉄錆の匂いを嗅ぎながら来た場所で呼び鈴を鳴らした国木田さん。程なくして
「入ンな」
男の人にしては高めの声の持ち主だろう
「首尾はどうだ?情報屋」
「イヨオ。眼鏡。今日も手帳のいいなりかい?」
「非合法の電賊が探偵社に偉そうな口を訊くなよ?」
非合法?
「社にある証拠品を然るべき筋に回せばお前は10年獄舎暮らしだ。お前が逮捕されれば亡き御父上が泣くぞ」
「父上の話は出すんじゃねえよ」
「ん?」
一瞬一寸だけこの男の人の雰囲気が変わった気がした
「それより遅刻だぜ?珍しいじゃん。何だ。コレと
そう言って男の人は小指を突きだしていて
「違う!逢引とは決められた女性とするものだ。そして結婚は6年後とこの手帳に書いてある」
うっわぁ…手帳にそんなことまで書いてるんだ国木田さん(このひと)
「何だ眼鏡。結婚を決めてる女が居んの?」
「其れが出来るのが4年後だ」
「……」
あ、そうなんだ。此れでお兄ちゃんと同じ年とは思えない…
何方かと言えば、中也君と気が合いそうな気がしなくも無いけれど
「理想と計画に生きる。其れが大人だ。覚えておけ」
「あれ?そいつらは新人か?」
「やぁ、名乗っても勿論良いのだけれど次に国木田君が言う台詞があるから無理」
そう言いのけたお兄ちゃんは挨拶すらしなくて
「じゃあ、その女は」
「同じく」
そう言ったあたしにクスクスと笑ったお兄ちゃん
「少年、人に名を訪ねる前には自ら名乗るべきだ。後太宰兄妹、織田許可なく俺の言動を先読みするな」
「えー。あたしは何も言っていないでしょうに」
「眼鏡はつくづく“べき”って言葉が好きだな。まぁいいや。オイラの名前は田口六蔵。14歳。情報屋だ」
!?
「あたしと1つ違い…ですか」
「へぇそんな風には見えなかったけどな金次第で調べられない事はねぇぜ」
「其れで、電子書面の送り主が誰か分かったか」
「蒼の使徒」
そう言った田口君
「何?」
「サーバーにデータが残ってた。後は誘拐事件被害者の写真くれぇだな」
椅子に座った田口君を横目に写真を見たあたしとお兄ちゃん
「けど、そいつは割る者じゃねぇんだろ?犯人のアジトを教えてくれたわけだし」
犯人のアジト?
「さーてねぇ」
「ん?」
「ふたを開けたら誘拐犯の一味でしたぁ。なんて事無いといいけど」
「…っ」
「青の使徒か…」