4話
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「茉白」
「社長?」
「私たちを信じてはみないか」
信じる?
「あの人もそう言いました。けれどあたしの想いはその人に打ち砕かれたのです」
「ん…っ」
「そう言えば、何故私たちが此処にと。おっしゃいましたね」
「あぁ」
「それがねぇ、無職で遣ることなくて呑み屋で管巻いてたら、偶々隣り合ったおじさんと意気投合しちゃって。
飲み比べで勝ったら仕事を斡旋してやるわい。って云うもんだから冗談の積もりで勝負したら、勝っちゃって」
「その飲んでいた時に妹のこいつは如何していた」
「一緒にいたよ。可愛い妹を1人アパートに置いておくなんて出来るはずがないじゃないか」
ずっと、織田さんと一緒にセーフハウスに入れていたくせに
「太宰と飲み比べをしていたのがな」
「誰なんです?」
「内務省」
そう言っただけで空気がぴりついたこの場所で
「内務省特務異能課の種田先生だ。昨日来訪され“よろしく頼む”と挨拶されていった」
「種田先生、此方に来てくださっていたのですか?」
「あぁ」
「何故、種田先生は平気なのだ」
「内務省に昔からの友人が居てな。その友人の上司だからなのか、種田先生の人柄なのか。茉白がすぐに懐いたんだ」
「つい先日まで、よく勉強も見て下さっていましたしね」
「何?」
「あたし、学校に行けてなかったんですよ。なのでその分をお兄ちゃんや内務省の御二方が良く面倒を見て下さっていたので」
「そういう事か」
「今は」
「受験もあるので教室には、入れていませんけれど別室で受けていますよ」
「そうか」
国木田さんとお兄ちゃんが組んで3日目。
平日は学校があるからとお兄ちゃんとは別行動だ。まぁ其れは2年の間でほんの少しだけ、一寸だけ慣れた気もしなくはない
「ただいま戻りました」
「お帰り」
机にバックを置くと
「お兄ちゃんと織田さんはまだ帰っていないですか」
「どうせいつもの事だよ。国木田も今日はこっちにいるし、今は社長と話をしている」
あの人今日はこっちにいるんだ。進路の事で話をしたかったんだけどなぁ
「何かあったのかい」
「あ、学校の進路の事で」
「あぁ、そんな時期かい」
「それで」
「だから太宰か。だが、当の本人はいない。社長の所にでも話して来ればいいじゃないか」
「行ってみます」
社長室の前に行くと聞こえたのは社長と男の人の声
「社長。少々お時間宜しいでしょうか」
「どうかしたのか」
そう言ったのは、国木田さんでぺこりと頭を下げ社長の前に行くと
「社長に相談がございまして」
「何だ」
「実は、学校の進路の事で」
そう言ったあたしは学校で渡されたプリントを出すと
「ならば、太宰兄の方がいいだろう」
「そのお兄ちゃんがいないので社長に相談を」
「成程な。こういった時乱歩なら簡単に答えを出す気がするがな」
らんぽ?らんぽって一体…
なんて思っていると
「そう言えば、お前たちはまだ乱歩さんにお会いしていなかったな」
「はい」
「まぁ、直ぐに会えることになるだろうが、この探偵社の主軸を担っている方でもある」
へぇ…そんなすごい人がいるんだ。なんて簡単に思っていた