14話
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「そうそう。森さんに此処に帰って来る途中の車で言われたんだけど」
「うん?」
「お兄ちゃんの幹部席も空いてるしあたしのいた補佐の席も空いてるからいつでも戻って来ていいよって言われた」
「まぁ、そうなるよねぇ。私に声が掛かるという事は」
「でもね。今日初めて知ったの。お兄ちゃんと織田さんがあたしを補佐にしてくれていたことも。補佐を進めてくれていたことも」
「そうかい」
あの時代のお兄ちゃんがあたしを補佐にしてまでそばに老いて置く理由なんて何1つないと思っていたのに
森さんに拾われた7年前だってあたしを津島に返そうと思えばできたのにしなかった
準幹部の時も、幹部になった時だってそうだ。あたしの異能力なんてなんの役にも立たないからお兄ちゃんお蕎麦にいるだけ無意味だと思っていた。だからお兄ちゃんの傍には必要ないと思っていたのに
補佐という役職まで付けてくれるなんて誰も想像もしなかった
「茉白」
「お兄ちゃん?」
「大体の考えていることは分かるよ。だけどね私は茉白を津島に返そうなんて1回も思った事はないよ」
「津島…ですか?」
「津島って一体」
「津島は私と茉白の実家のようなものだよ。ただし私も茉白も実家に捨てられ津島と名乗ることが出来ないから太宰と付けているわけだけど」
「津島…。異能力者揃いの一族だな」
「確かに2人の子供が行方が知れないと大々的に報じていたのは8年前だったが」
「そういう体裁を出しただけさ。実際は探してすらいなかった。茉白の異能力発現と同時に動き出したのは私にも異能ああると判断したからだろう」
「なに…!」
「国木田さんと乱歩さんが言うように津島は異能力を所持している一族です。自分の身内に異能力がないと知れば見捨てる。お兄ちゃんは津島に捨てられた年に発現しました。
あたしはポートマフィアに在籍している中発現しました。それをどこから嗅ぎ付けたのか。つい最近になって動き出したようで」
「茉白さえ連れて帰れば私もあの家に戻って来るだろうと踏んでいるのだよ」
「それじゃ、1人で行動するのは難しいんじゃ」
「あぁ。難しいだろうな」
「だからこその森さんの提案でもあるわけだけど」
「え?」
「どういう事です?」
「ポートマフィアで準幹部・幹部クラスの補佐ともなれば連れ去ることはポートマフィアもポートマフィアの幹部たちも敵に回すことになる。
況してや幹部にはここで匿っていたポートマフィアの幹部の女性がいただろう」
「いましたね」
「あの人は怒らせない方がいい。あの人はポートマフィアの闇を誰よりも知って居る。
そして中也は茉白がポートマフィアの内部で今は誰よりも信じている人間でもある」
「え?」
「この探偵社で見せている茉白の表情以外の顔を確かに私と織田作は知って居る
まぁ、織田作よりも中也の方が付き合いは長いかもしれないけれど。それでもたった7年できっと今の私たちよりも悠に中也の方が茉白のいろんな顔を知って居るよ」
「そうか」
「だから太宰さんや織田さんの前では年相応の顔をするんですね」
「乱歩さんや与謝野さんだって同じくらい茉白は信用しているよ」
「「え?」」
「其れだけ茉白の心は繊細なのだよ。織田作に何かあった途端にすぐに茉白の心は壊れる。其れは当然織田作だけじゃない。乱歩さんも中也も姐さんも」
「そして太宰。お前もだろう」
「あぁ」
そんなに簡単に壊れることなんてないと思っているのはあたしだけなんだろうか
「そう言えば姐さんとのお茶は如何したんだい?」
「ポートマフィアも今は忙しいようなのでそっちが落ち着いてからという事に」
「そうかい」
