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振り返ったポオさんは
「我が輩との対決を覚えているのか?」
6年前に2人で対決をして乱歩さんが勝った。そういう事か
まぁ、乱歩さんの事だ。負けることはないだろうけど
「僕が自分が解決した事件を」
資料のファイル事振り返った乱歩さんは
「忘れるはずがないだろ」
「流石だね」
「思い出すね」
そう言った乱歩さんの声のトーンが変わって
「あっ」
「ここでお互いの頭脳を競い合った。僕が他の探偵にヒヤリとさせられたのは、後にも先にもあれ1回限りだ」
へぇ…
あたし達の方に帰って来た乱歩さんは
「だからねぇ次の勝負も期待しているよ」
そう言いながらも先に歩いて行く乱歩さんの後ろについて行くと
書類をひらひらとさせながら歩く乱歩さんの後ろ姿を見ながら歩いていると
「僕の為に頑張って考えてねぇー」
部屋のドアを抜けると
「茉白。これ持ってて」
「はーい」
乱歩さんから書類を渡されたのを受け取ると
スタスタと歩きだした乱歩さん
「茉白。太宰に連絡。会議室に集合」
「はい」
スマホを取り出したあたしにそう言った乱歩さんの言葉をお兄ちゃんの電話に繋げると
「お疲れ。どうだった」
「乱歩さんからの伝言。今から帰るからお兄ちゃんは会議室で待機だって」
「了解」
電話を切ると
「帰ったら記念日の祝宴だねぇ」
「何の?」
「名探偵が真実を知った日のさ。乱歩さんは異能力者じゃなくて観察力と推理力を」
「僕は異能力者だ」
そう言い切る乱歩さん。でもきっと本人は気づいている。気づいていて異能力者だと言い切っているんだ
「けどさっきは推理根拠をつまびらかに説明してたじゃないか」
「僕は異能力者」
「ですねぇ。かっこよかったですよ?推理硝子を説明している乱歩さん」
あたしの言った言葉に止まった2人
「どうかしました?」
「「天然」」
そう言った2人の言葉が聞こえなくて、首をかしげると
「駄目だ。これはちゃんとに太宰に言わないと何時か本当に変な男に連れて行かれる気がするよ。あたしゃ」
「どういう…」
「まぁいいよ。推理なんてしてない!今回はたまたまだ!」
そう止まってしまった乱歩さんに続いてあたしも与謝野女医も止まってしまい
「だって…」
「「だって?」」
「今更一般人なんて格好がつかない」
そう口をとがらせてしまった乱歩さんに
「アハハっ」
「プッ…フフフ」
と笑ってしまったあたし達に
「笑うの禁止」
「はいはい」
「ハイハイも禁止!」
そう言って来た乱歩さんは若干怒っているようだったけど、なんか怒って居ても怖くなくて更に笑ってしまった
探偵社に戻ると
「お帰りなさい」
「ただいま」
直ぐに会議室に行くとお兄ちゃんが何かを考えていて
「お兄ちゃん?」
「お帰り」
乱歩さんの収穫した空中要塞の資料をお兄ちゃんに渡すと
「んー」
資料を見ながらお兄ちゃんが感心している。きっと頭の中ではいくつかの作戦立案が出来ているのだろう
「それにしても、すごい情報ですね。値千金だ」
お兄ちゃんはあたしが帰って来てからずっと資料とのにらめっこ。会議室にいないでもいいかなぁ
「これを使って組合の背骨を一撃でへし折るとすると…」
上を向いたお兄ちゃんは
「潜入から爆弾?」
「無理だな。通信で着水。狙撃で終わりだ」
「んー。あっ本当だ。じゃあ、特務課突入から賢治君だと?」
「無理―。地上戦で痛み分け延長戦」
「あー。確かに。となると敦君か」
「細雪を使うのは悪くない」
「はぁ…ですね」
立ち上がったお兄ちゃんは
「最後は山?」
「海だ」
「了解」
あ、お兄ちゃん嬉しそう。という事は大まかな作戦立案がお兄ちゃんの頭の中では完成しちゃったかな
「太宰」
「何です?」
「茉白の天然は如何いう事」
「あー。出ちゃいました?」
「しれっと言われた台詞に注意しただけで首をかしげるような子じゃないと僕たちは思ってたし
相手の異能力者の中にいた時も、天然ガ出てたんだけど」
「茉白があの時よりもさらに心を開いているという事ですよ」
「其れだけか?」
「えぇ。じゃなかったらきっと皆の前でも同じことをするでしょう?でも茉白は其れはしない。私の前でも時々あることですから」
「そうか。でも太宰。此れだけは忘れるなよ。今日みたいなことがもしも今言っている学校やポートマフィアに見つかればすぐに誘拐されるぞ」
「注意しておきます」
2人の会話に途中から付いていけなくて会議室の外に出て来ていたけれどまさか本当に言うとは思わなかった
会議室のドアにもたれかかるように立っていると
「茉白ちゃん?」
「敦君?」
「何でこんな所に立ってるの?」
「まぁ、一寸ね。お兄ちゃんたちの会話についていけなくて出て来ちゃった」
苦笑いをしたあたしに疑心暗鬼の眼差しを向けてくる敦君
「本当だよ。織田さんってもう来てる?」
「うん。来てるよ」
会議室からいつもの仕事部屋に行くと織田さんが来ていて
「お帰り茉白」
「ただいま?」
「何故疑問形になる。まぁ、そういう所も昔から変わりはしないが」
「「昔から?」」
「どういうことですの?」