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翌朝、あたしとお兄ちゃんが探偵社に行くと乱歩さんと与謝野女医が出かける支度をしていて
「あれ?朝からお出かけですか?」
「組合から乱歩さんに挑戦状が届いたんだよ」
へぇ。乱歩さんに
「乱歩さんの退屈しのぎにはなりそうなんですか?」
「なるかもね」
かも?
「茉白」
「お兄ちゃん?」
「乱歩さんの推理力がどれだけ凄いか、見ものだよ」
「こらー。見物料取るぞー」
「行ってくればいいさ」
乱歩さんの見物料の話を見事にスルーしたお兄ちゃん
「こらー!」
「後で置いておきますよ。見物料」
「其れで宜しい。茉白もおいで」
乱歩さんから誘て来るなんてめったにない事だ
「行って来まーす」
「気を付けるんだよ」
「はーい」
乱歩さんと与謝野女医と一緒に歩いて来た大きな館
「組合が僕に挑戦状とはねぇ。これで少しは退屈がまぎれる」
「罠だと思うけどねぇ」
そう見せてくれた挑戦状、基案内状
壁に張られた紙を見たあたしたち
丸と四角が空欄になって居る状態で
「空欄を埋めろって事?」
「だろうね。まぁわたしにはさっぱりだけど」
「茉白。ペン貸して」
ペンを出したあたしは乱歩さんに渡すと何の迷いもなく答えを書いて
丸にはこの街。資格の中には十文字と書いている
「どういう事ですか?」
「茉白も分からないのかい?」
「分からないですよ。流石は乱歩さんです」
「そうだね」
中に入るとよく分からない人が1人
「キミかい?僕に挑戦するという偉い人は」
「フフフ。久しぶりだな乱歩くんよ」
組合設計者長・エドガー・アラン・ポオ
異能力【モルグ街の黒猫】
久しぶり?
「乱歩さんお知合いですか?」
「表の問題は解いていただけたかな?」
髪を見せた乱歩さんは
「流石は乱歩君。我が倒すべき宿敵である」
そう言った組合の人に対し
乱歩さんは解いた紙を下に放り投げ
「次は僕が質問する番だ」
眼鏡をはずした乱歩さんは
「アンタ誰?」
「え?吾輩を覚えていない?君との勝負の為だけにわざわざ組合の遠征に加わったと言うのに…
我が輩はポオ。探偵にして知の巨人。6年前キミとの勝負に敗れた者である」
6年前。という事はあたしと出逢ったあの時よりも前だ。
それもお兄ちゃんがポートマフィアで幹部をしていた時代かもしれない
「眠たい話ならいいや帰る」
「くっうっ…推理ゲームである!」
「推理ゲーム?」
「我が輩の用意したこの推理小説を読み、連続殺人の真相を的中させることである」
「マイナス1点」
「ぐっ」
「小説で事足りるなら探偵になってない」
「その返答は想定済みである。もし我が輩に勝ったら」
すっと取り出した封筒を見せてきて
「組合の弱点を教えるとしたらどうだろうか」
「「な…っ」」
「ん…っ」
組合の弱点なんてあるんだ
「組合の拠点。空中要塞
「プラス1点。けどなんでそんな莫迦げた勝負を?」
「組合の作戦など野蛮なばかりで退屈極まりない」
「野蛮なのは認めますけどね」
昨日の変な男たちといい
「この世で人類が唯一驚嘆し刮目すべきはキミの異能力、超推理のみ。違うかね?」
あ
「与謝野先生、あの日と乱歩さんおだてちゃいましたね」
「だねぇ」
後ろからでもわかりやすいくらいに乱歩さんは笑顔だ
「プラス5点。やろう」
そう言った乱歩さんは本を取り椅子に座ると本をめくり始めた
「物語の始まりはこうだ」
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