1話
名前を入れて読んでね
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それでも直ぐに戻ってきたあたしとエリスちゃん
まだお兄ちゃんと森さんが中では話している様子だ
「大人しく、いい子にしていたらその内薬品の調合法を教えてあげよう」
薬品の調合法法?そんなの、森さんにしか出来ない至難の業だ。
幾らお兄ちゃんがさっきの様にしていてもすぐに取り上げてしまうのだから
「そう言って僕をこき使って!1年前、あれだけ大変な思いをさせておいて!結局教えてくれないじゃないか!
こうなったら、茉白と一緒に裏切って敵組織についてやる!」
あ…
「適当な思い付きを喋るのはやめなさい。いい子だから」
“いい子だから”これはあたしとお兄ちゃんによく言う言葉だ
「そもそもだね太宰君。君は私が先代から首領の座を継承した時その場にいた唯一の人間。遺言の証言者に簡単に死なれては困る」
そうだ。あたし達兄妹が森先生に出会ったのは1年前。
1年前、ベッドに拘束をされて。運び込まれた病院にいたのが森先生だった。
「こんばんは太宰君。私は君の主治医森鴎外。以後よろしく」
「森…せんせぃ?」
そう言ったあたしの方を見て
「こんな子供まで巻き込んだというのかね」
あたしまで?
「君は自殺を図ってこの病院に担ぎ込まれた記憶はあるかね。ましてやこんな女の子まで一緒に担ぎ込まれるとは驚きだよ」
「失敗しちゃったのか。残念。茉白を巻き込んだ記憶は無いけれどね。此処に担ぎ込まれたのなら、きっと呼ばれて出て来たのが茉白だったんだろう。どうせ、家に居ても大して変わりはないさ」
「…」
家に居ても異端児のあたしとお兄ちゃんは嫌われて育てられてきている
病院に担ぎ込まれたことによって厄介者を排除できると、そう思っていたのだろう
「太宰君。もし楽に死ねる薬の調合法を教える代わりに1つ頼みごとをしたら頼まれてくれるかい?」
「本当!?」
「あぁ。ただし、これから起こることは絶対に秘密厳守だ。守れるかね」
「うん。約束する」
その時だ。ポートマフィアの先代首領に出会ったのも、恐怖を抱いたことも何もかもが怖いと思ったのは
「当てが外れたね」
そう言ったお兄ちゃんは
「自殺未遂の患者を共犯者に選んだのはいい人選だったのに、1年たってもこうして僕は生きてる。まぁ、茉白は死なせやしないけれどさ」