10話
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翌朝、早朝に探偵社に戻ると、あたしが入る一寸前に入った人物がいたのが見えた
「おやわっぱ」
「おわっ!」
お兄ちゃんの言っていた通り紅葉さんが其処にはいると思える
「1人かえ?いや2人じゃのぉ」
「ふたり?」
敦君があたしのいる方に向いてくると
「茉白ちゃんも帰って来ていたんですね」
「一寸だけ」
「でも、何故此処に?」
「わっちは太宰と取引をしたのじゃ」
「お兄ちゃんと、ですか」
「そうじゃ。行方不明の鏡花を救うならそれを大人しくここで待つ。とのう
わっぱは良いのか?太宰の傍におらんで」
「太宰さんは」
「「ん?」」
「政府のエージェントとの交渉に向かった」
政府のエージェント?
「なるほどのう」
紅葉さんの隣に普通に座ったあたしに驚いた敦君
「異能特務課と言えば国内最高峰の秘密異能組織じゃ」
「味方とすれば探偵社は最大の切り札となりますしね。朝から織田さんもいなかったのはお兄ちゃんとその政府のエージェントとの交渉に行ってしまったんですね」
「え?」
「なんじゃ。わっぱは知らんのか」
「政府のエージェント。お兄ちゃんと織田さんが合う人物は1人。同じ異能力者の安吾君に会いに行ったのでしょうね
そうすれば遠からず彼女が探偵社に戻ってこられる。そう考えているのでしょう?敦君は」
「え?はい」
「どうかのう」
「ん?」
紅葉さんの言葉に顔を上げた敦君
「そう簡単な話ではないのですよ。確かに交渉は出来るかもしれない。でももしそれを彼女が拒否をしたら?
お兄ちゃんの前職はもうすでに分かって居るのでしょう?」
「のうわっぱ」
「ん?」
「幾月か稽古を受けただけの14の娘が35人も殺しおおせると本気で思うのか?」
彼女14歳なんだ
「才能じゃよ。才能が鏡花の魂に黒く絡みついている以上、あの子は闇から抜け出せぬ。それは無論茉白とて同じじゃ」
「紅葉さん?」
「どうしてそこに茉白ちゃんまで絡んでくるんですか」
「この子が探偵社に居て、同じ職場の人間のわっぱの傍に行かずわっちの傍にいるというのも答えの1つじゃ。お主らを全く信用しておらん証拠。そして闇から抜け出していない証拠じゃ」
「!?」
「この子の祖父ものうポートマフィアの幹部じゃったのじゃよ」
「え?」
「茉白を誰よりも自分の孫のように可愛がってくれた人間がポートマフィアにおっての。茉白はそやつから色々と教わることも多くての。6年前、ある抗争の最中亡くなったのじゃが写真を見せられ、遺体をも見せられた茉白は信用出来る人間が限られてしもうたのじゃ。そこからずっと心を閉ざしておる」
「な!?」
「かつてのわっちと同じようにの」
「え?」
「わっぱ。鏡花を頼む」