10話
名前を入れて読んでね
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「答えよ。ポートマフィアの特使」
社長?
「あ?」
「確かに探偵社が組合を挫けば、貴兄らは労せずして敵の力をそげる。あわよくば探偵社と組合の共倒れを狙う策も筋が通る」
「だが、お宅にも損はない。だろ?」
「その話が本当ならばな」
社長が乱歩さんに眼鏡の着用をするように合図をしていて
「やれやれ」
「何を隠している」
「何も?」
眼鏡をかけた乱歩さん
「この件でポートマフィアはどう動く」
「動くまでもねぇよ」
そう言い切った中也君
「あっ」
「!?」
あたしと同じタイミングで驚いた乱歩さんは中也君の一言ですべてを見通してしまったのかもしれない
「成程ね。そういう事か」
「ん?」
「組合は僕たちと同じように罠を疑ったはずだ。然し彼らは食い付いた。余りにも餌が魅力的だったからだ。何で組合を釣った?」
「組合を釣ったのはきっとあたし達を除く探偵社の事務員」
「事務員を餌にしただと?」
やっぱりね
「すぐに避難させりゃあ間に合う。その上組合はお宅らが動くことを知らねぇ。楽勝だ」
「奴の言葉に嘘はあるか?」
「ないね。残念ながら」
「こういう時は真実が1番効きますから」
「フッハハ。穴だと分かって居ても探偵社は落ちずにはいられねぇ。首領の言葉だ。茉白がポートマフィアにいつ帰ってきてもいい準備もしてある」
「!?」
あたしを戻すという事は、きっと森さんはお兄ちゃんも戻すつもりなのだろう
「茉白をポートマフィアに戻すわけがないだろう」
「織田さん?」
「誰のせいで茉白が心を閉ざしたと思っている」
「!?」
「あたしはポートマフィアには戻らないし、戻るつもりもないよ」
たとえそれが中也君や紅葉さんが言って来たとしてもだ
通信映像が切れたと思ったら
「茉白。事務員に避難指示を出せ」
乱歩さんの言葉でナオミちゃんに連絡を入れると
直ぐに避難すると言ってくれたのだ
「織田。国木田に繋げ」
此処に居れば平気だと思っていたのに
「茉白?」
「どうかしたのか?」
カタカタと震えているあたしに両肩を抑えてくれている織田さん
「落ち着け!」
「お…ださん?」
「そうだ。ここはポートマフィアじゃない。探偵社だ
俺も太宰も、戻るつもりもなければ戻る気もない。其れはお前だって同じだろう」
「だけど…」
どんなことをしても連れ戻そうとするのが森さんだ
「茉白」
「乱歩さん?」
「太宰の所には今は連れて行けない。でもあいつは何時だって茉白の所に帰って来るだろ」
あ…
「はい」
「なら落ち着くんだ。此処には僕と社長と探偵社の人間しかもういない」