10話
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「彼女に関して、調べても調べさせても何も出てこなかったのですよ」
「な!?」
流石は異能特務課。未だに過去の経歴も何もかも真っ白なままだ事で
「ただ1つ家族構成も真っ白にされているので」
「「へ?」
「家族構成迄真っ白にされている?」
そう思ったのも束の間
「茉白」
一段と渋い声の方に反応した皆と
「何で、太宰の雰囲気が変わった?」
「織田さんっ」
「元気そうだな」
「元気だよ?でもこれから一寸だけ帰るの」
「太宰に何か言われたか?」
「ううん。紅葉さんが来ているんですって。滅多に会えない人だから会いに行こうと思って」
「そうか。なら俺も帰るついでだ。一緒に帰るか」
「うん!」
「早く支度して来い」
「はーい」
家の中に入って着替えて直ぐに出ると、外で待ってくれていた織田さんと
「まだいたんだ」
「いちゃ行けねー理由にはならねーだろうが」
そう言った直後
「茉白、避けろ!」
織田さんの言葉と同時に避けたあたしに
「何事?」
上を見上げれば
「あちゃー…」
「面倒なことになったな」
「え?」
「組合…」
「ギ…ギルド?」
「おや。我々の事はご存じでしたか」
「そりゃぁ、あたしを狙っている組織ですもの」
「な!?」
「何であたしを狙うのかは定かじゃありませんけどね」
「え?」
「へ?」
「そうですか。では強制的に」
「行かせるわけがないだろう」
あたしの前に立ってくれた織田さんはあの時と同じ広い背中であたしを守ってくれているようで
「茉白は太宰に連絡を入れておけ」
「え?」
「この状況で俺も茉白も帰れば危険だ。姐さんに会うのも別の機会に取っておけ」
「分かった」
お兄ちゃんに電話をすると
「どうかしたのかい?」
「織田さんとあたしが組合に襲われた」
「そうかい。織田作が一緒に居るのなら心配は無用だね。姐さんには会えないけど、無茶はしてはいけないよ」
「うん」
「まぁ、それでも織田作はきっと先に帰って来るだろうから夕刻にはこっちに帰っておいで。其処に居ても危険だということが証明できた」
「了解」
「太宰は何て」
電話を切ったと同時に訊かれたあたしは其の儘の話を伝えると納得してしまった織田さん
「そうか」
「へぇ。僕たちの行動を先読みで着ているのか。面白い能力だ」
「あんた達みたいな変な能力じゃなくて良かったと思うけれどね」