10話
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「あたしは大丈夫ですよ。先生」
「そうか?」
「はい。あたしにはお兄ちゃんだけじゃない。彼らもいてくれていますから」
「そうか」
きっと、先生の方が疲れているのではないかと思ってしまう。
「お主は変わらんな。4年前から」
「これ以上変わりようがないでしょう?種田先生も同じことを言って来ますけど」
「そうか」
夏目先生は後方にいる彼らを見ていて
「随分と面倒なものに好かれる傾向にあるな。茉白よ」
「好きで好かれているのではないのですけれど。それになぜかあたしは伊太利のマフィアにスカウトまでされている最中ですよ。組合と言い、面倒な事この上ないのですけれど」
「そういう所はあの坊主と似ておるな」
「其れはそうですよ。たった1人の兄妹で、あたしはお兄ちゃんの妹ですから」
「そうだな」
後方にいる彼らは全く分かって居ないようだが目の前にいる老人…基夏目先生はお兄ちゃんとあたし達がポートマフィアを抜ける時にも入る前にも色々と手助けをしてくれた恩人だ
「あたしたち兄妹が兄弟でいられるのも先生のおかげですよ。お陰様であの人たちは今もあたしとお兄ちゃんが生きているなんて信じないでしょうし、探す事も出来ないでしょうから」
「そうじゃの」
「夏目先生」
引き返そうとした夏目先生を止めたのは
「なんじゃ」
「お兄ちゃんたちに伝えておいてください。あたしは元気だと」
「分かったそうしよう」
そう言って帰って行った先生はきっと異能を使って帰るのだろう
太宰が本当の苗字じゃないだなんて知られたら大騒ぎだ。実家でもきっと探されているかもしれない。いや、あの人たちの事だ。探すなんて莫迦なことはしないはず
でもそれでも、もうあの家に帰ろうなんて思ってもみないし、帰るつもりもない
探偵社設立をした時に夏目先生の力も借りたと、乱歩さんからは聞いた事があった。そして今もなお探偵社にいるというのは聞いている事実だ
「太宰さん?」
「お前、一体何者だって言うんだ」
「さぁ。でも此処にいる間は
「「?」」
「それ以外何物でもないですよ。あたしもあたし達も」
頭に未だに?が浮かんでいる彼らを放置して帰路についた翌日だった