6話
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あの後結局敦君を起こしてお兄ちゃんは谷崎君を、あたしは異能力でナオミちゃんを探偵社に連れ戻すと
非番で休みのはずの与謝野女医が既に医務室で待機してくれていて
「あたしが居ながら」
「いや。誰が行っても同じ結果だったろうよ。茉白が悪いわけじゃないさ」
!?
「さてと、先にナオミを治してしまうから処置台に横にしてやんな」
「はい」
ナオミちゃんを処置台に置くと異能力で治してくれた与謝野女医
「茉白」
「お兄ちゃ…」
「大丈夫だよ。其れに与謝野さんも言っていただろう?誰が行っても同じ結果だったのだよ。ただし織田作以外はね。茉白が悪いわけではないさ。少し早いけけれどセーフハウスに戻っても構わないよ?其れに東京に戻っても私も何も言わない」
「え?」
「茉白も選べるのだよ。自分で行きたい場所に行くことも居たい場所に居る事もあの時私と織田作と一緒にいると決めたのは紛れもなく茉白だ。私は茉白の行きたい場所に行かせてあげることしか出来ないのだよ」
そっか
「茉白安心しな。此処にいる奴らは皆助かるさ」
「はい」
あの時、与謝野女医がいてくれたから織田さんも助かったんだと、やはり与謝野女医の異能力はすごいと思ってしまった
「太宰。茉白と一寸出てきてやんな」
「そうします」
あたしの手を引いて歩きだしたお兄ちゃんは
「懐かしい場所にでも行こうか」
「懐かしい場所?」
そう一緒に歩いていると今はもうないフリイダムの跡地にはビルが建っていて
「あ…」
織田さんとの思い出の場所が此処にはもうない。その先の歩道橋に行くと
「ここで泣きじゃくっていた茉白になんて声をかけていいのか最初は戸惑ったものだ」
「お兄ちゃんが?」
「あぁ」
「でもね、此処で織田さんに会った時乱歩さんがいたの」
「そうか。乱歩さんとは此処で初めて茉白は会ったのか」
「うん。乱歩さんもあたしも織田さんを止めたの。死んじゃうって分かってたから」
其れなのに
「織田さんは分かってるって。そう言ってあたしの掴んでた腕さえ振りほどいてまで行ってしまったの」
織田さんと別れた廃墟に着くと
「さっきね与謝野女医が皆助かる。そう言ってくれた時あの時に与謝野女医がいてくれたから織田さんは助かったって今でも思うの」
そう言ったあたしの言葉にお兄ちゃんは驚いたような顔をして
「其処まで、織田作の事が好きだったのだね」
「うん」