6話
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なんて言った直後奥から出て来た女給さんに
「か弱く華奢なこの指で私の首を絞めてくれないだろうか」
そう言った直後後ろから来た国木田さんに頭を殴られたお兄ちゃんの動画を収めたあたし
「はい。また証拠を入手」
「言っている傍から社の看板を汚すな!貴様と言う奴はいつもいつもなお彼女の手を借りるまでもないわ。俺のごつい指でお前の首を絞めてやる!」
「そう言えば…」
そう言った敦君はあたし達の方を見ていて
「太宰さんたちは探偵社に入る前は何をしてたんですか?」
「「んあー!?」」
「うっ」
「ん?」
「ふふ」
「特に意味はないんですけど」
「当ててごらん」
「え?」
「定番のゲームなんですよ。新入りは先輩の前の職業を当てるの」
「ま、探偵修行の一環でもある」
そう言ったあたしとお兄ちゃんに
「うーん」と悩み始めた敦君
「谷崎さんとナオミさんは学生さん?」
「おおー。当たったすごーい」
「どうしてお分かりに?」
「ナオミさんはバイトだって聞いてたし、制服姿からして現役の学生さんかなって。谷崎さんの方は歳が近そうだし、勘です」
「正直で宜しい。じゃあ、国木田君は?」
そう言った直後カップに入っていた珈琲を噴出した国木田さん
「汚い…」
「俺の前職などどうでもいい!」
「うーん…公務員?お役所勤めとか?」
「おしーい。彼はもともと教師だよ。数学の先生だ」
「へえー」
何かを想像したのだろう
「なんか物凄く納得」
「昔の話だ。思いだしたくもない」
「じゃあ、私たち兄妹と織田作は?」
「太宰さんと茉白ちゃん?其れに織田さん?」
「そう」
「あたしとお兄ちゃんと織田さんは元々同じ場所に居ましたから」
乱歩さん以外誰も当てたことは無いけれど。寧ろ。乱歩さんはあたしが探偵社に入ることすら予測されていたけれど
「あたし達兄妹と織田さんは同じ場所にはいましたけど、別々で考えてもよろしいですよ?」
「谷崎の時にも賢治の時にも同じことを言っていたな」
「本当の事ですもの」
「じゃあ、お兄ちゃんから頑張って当てて見てください」
「太宰さんは…太宰さんは…」
一生懸命考えているのだろうけど
「無駄だ小僧。武装探偵社七不思議の1つなのだ。太宰兄妹と織田の前職は」
「確か最初に当てた人に賞金が出るんですよね」
「賞金!?」
目の色が変わった敦君
「そうなんだよ。誰も当ててくれなくて賞金が膨れ上がってる」
「ち、因みにその膨れ上がった賞金と言うのは如何ほどですか」
「茉白と合わせて総額70万」
「ナナジュウマン!」
「あ…当たったら貰えるんですね?本当に本当ですね?」
「ふん。自殺主義者に二言はないよ」
かっこよく言っているけれど
「あたしを巻き込まないでよ。お兄ちゃんの懸賞だけですから」
手あたり次第言い始めた敦君
「役者!」
「ちがーう。けど、役者は照れるねぇ」
「どうせ、何もせずにフラフラしていただけなのだろ?」
「違うよ。この件で私は嘘をつかない。茉白がわたしと同じ職場にいたことに変わりはないし、織田作も同じだ。種田長官に探偵社を勧められたのも事実だ」
「ん?」
「まぁ、茉白は最初に当てられていたけれどね」
「へ?」
「ナオミちゃんに学生と言ったでしょう?」
「はい」
「あたしも“一応”は学生なので」
「はい!?」
「なので正解というくくりにしているのですよお兄ちゃんは」
「降参かな?敦君」
「ええ!?」
「じゃ、ここの支払いはよろしくね」
なんて言っているお兄ちゃんはきっと今日は財布を持ってきているはず
「持ち合わせがないならツケが効くよ。何と言っても探偵社ご用達のお店“うずまき”だからね」
「電話…ですね」
「はい谷崎です。はい。はい。分かりました」
「依頼か?」
「はい。依頼人の方は既に事務所の方に」
「さ、仕事の時間だ」
そう言ったお兄ちゃんの声がポートマフィアにいたころの声色に似ていて
「私の過去の職業当てゲームはまた、次の機会に」
探偵社に戻ると金髪の女性が座って居て、調書を取って話を訊いたその日、其の儘あたしまで行く羽目になってしまったのだ
「お兄ちゃん」
嫌な予感しかしないのはあたしだけだろうか
「大丈夫だよ。本当にヤバくなったら私もちゃんと出るから。其れに…」
「分かった」