6話
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「そう言えば、先ほど“お爺様の所に行けるのなら”だと言っていましたわよね?茉白さん」
「そう言えば言っていましたね」
「確かに。アレはどういう」
「其の儘の意味ですよ。あたしにの事を幼いころから知って居て、本当の孫のように可愛がってくれていたお爺様がいたのですから」
「そんな人がいたんですね」
「居たわ」
そう言ったあたしに驚きを隠せていない探偵社の人たち
「其の方は?」
「もういないのです。ある抗争の最中亡くなりました。幼い、といっても12歳の時でしたけれどある抗争の最中お爺様もその中に駆り出され帰らぬ人に。今でも寂しいのですけどね」
「え?」
「茉白」
「これくらいは許してよ。お兄ちゃん」
「仕方がないね。話したところで分かるはずもないのだけれど」
「お爺様を止めることは誰にもできなかった。でも4年前、ある抗争に巻き込まれたときその時は」
「織田作が狙われたのだよ。敵組織に織田作と全く同じ異能力を持つ者が現れてね」
「織田さんと一緒に行きたかったのに織田さんに止められ、乱歩さんに止められたのもまた事実ですけどね」
「!?」
「あたしが織田さんと乱歩さんに心を許しているのも何もかも全部あの人のおかげなの」
「でも、俺たちと会って2年。谷崎たちと会っても1年だぞ」
「ここで気を許せそうな人はお兄ちゃんと乱歩さん、社長と織田さんだけです」
「じゃあ、今東京に行っているのは」
「きっとそう言ったことも含めて気休めにと。社長や乱歩さんたちに気を使わせてしまいましたが」
「なぜ、俺達に」
「其れを言った所で何もできなかったですよ。探偵社の人たちは
あの時、乱歩さんしか会わなくて良かった。そう思えるほど幸運なことがないですから」
「そうだねぇ」
なんて言っているお兄ちゃん
「茉白が大泣きをしたのも誰かの前で泣くなんてことをしたのも彼の前が初めてだろうね」
「最初で最後の人かもしれないわ」
「それはないね」
あっさりとそう言い切ったお兄ちゃん
「最低限、誰かと恋愛くらいは兄としてはしてもらいたいものだね」
誰かと、恋愛…か
「出来たらいいな…」
「茉白」
「ただし、織田さん以上の人が現れないと無理な話でしょ」
「「何で織田さんなんです?」」
「茉白の事を妹のように可愛がってくれているけれどね。茉白にとっては今の処唯一の思い人だもの。私としては賛成なのだけれどね。織田作なら。でも誰とでもいいから恋愛くらいはしてくれないかなと思っているのだよ」
そう言ったお兄ちゃんの言葉に驚きを隠せていない探偵社の人たち
「茉白が私と国木田君や敦君たちとの会話の違和感はそこだ。一定の距離感を置いて話すこと。国木田君は出会って2年。谷崎君たちは1年と言っただろう?」
「あぁ」
「でも、其れは関係ないのだよ茉白が今の現状で心を開いて話しているのは私と乱歩さんだけ。後は誰にも心なんて開いちゃいないよ」
「「!!」」
「織田さんを除いては」
「だから」
「何かを貰ったとか」
「何か…を貰ったわけでは無いけれど」
なんて思っていると
「茉白。下に行こうか」
「え?」
「少し休もう。いろいろと疲れただろう」
「うん」