6話
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翌朝、目が覚めればいつものセーフハウスで、探偵社から送り届けてくれたのはきっと織田さんなのだろうと思っていた。
下に降りると、既に珈琲を飲んで新聞を見ていたお兄ちゃん1人で
「おはよう。お兄ちゃん」
「おはよう。よく眠れたみたいだね」
「うん」
キョロキョロとあたりを見回しても姿がないのが織田さんで
「お兄ちゃん」
「織田作なら、既に仕事に向かっているよ。昨日の茉白の姿に驚いていたよ?探偵社の皆は」
「だから言ったじゃん。帰って寝たいって」
眠かったのは事実だし、嘘なんて言った所でお兄ちゃんに見破られるのも事実だ
「まさか医務室で本当に寝ているとは思わなかったけれどね」
「織田さんがいてくれたから」
「そうかい」
珈琲を飲み終えて新聞を畳んだお兄ちゃん
「もう、探偵社に行く感じ?」
「あぁ。でもすぐに出るよ」
直ぐに出る?
なかいいや。なんて思いながら支度をし始めたあたし
「茉白にしては随分と大人っぽい服装だね」
「あー…これは」
「ん?」
「安吾君から、入学のお祝いにって」
「へぇ、安吾からねぇ。相変わらず茉白を内務省に引き入れたいと考えているようだ」
「え?」
「茉白を内務省に引き入れれば自分たちの仕事も少しは減ると考えているのだよ安吾たちは」
あー。そういう事。なんか納得しちゃった。なんて能天気に思っていて
「でもまぁ、そういう服装もたまには悪くないね」
「本当?」
「あぁ」
「織田さんもそう思ってくれるかな」
「まぁ、織田作だしねぇ」
家を出ると寒くもなく、暑くもないこの時期の空気感をお兄ちゃんと2人で歩くのなんて貴重な事だ
「お兄ちゃんとこうやって歩くのも久々な気ガする」
「そうかい?」
「うん。だってほら探偵社に行っても普段は別々に帰ることが多いあたし達だから、2人で歩くなんてそうそう出来ないし
あっちにいた時だって、お兄ちゃんは忙しくて、妹のあたしにはなにも情報を共有してくれないような人たちもいた世界だもん。お兄ちゃんが仕事が遅くなるのか、早く終わるのかなんて分かるはずもなかったしね」
「それもそうだねぇ」
「だから、お兄ちゃんを待って居る間に織田さんや安吾君に勉強を見て貰ってた記憶が強いんだよね」
「そうか」
探偵社に着くとすぐにお兄ちゃんは
「じゃあ、茉白も行くかい?」
「何処に」
「敦君の所だよ」
敦君?
「って誰?」
「一昨日会って居るじゃないか。虎に変身した異能力者の名前だよ
名前を中島敦と言うらしい。茉白も覚えておかなくてはいけないね。同じ
なんて話しながら探偵社の社員寮に着くと
「敦君の入社試験も今日行われる。茉白の顔は知って居ても、敦君と茉白はほぼ初対面状態だ」
「まぁ、確かに一寸話しただけだしね」