6話
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それと同時に谷崎さんが与謝野女医に
「否、死人は兎も角、生きてる人を鉈で切り刻むのは…」
なんて言っているのに対して
「焼き蟹、其れは現世の至福」
なんて言っているから苦笑いしかあたしには出来なくて
「おい太宰」
低い声でその声を発したのは国木田さんで
「蟹の話は善いとして、会議は如何したのだ。先刻お前、“会議室に皆を呼んである”と言っていなかったか?みた所、与謝野女医の他に、姿を見せそうな気配もないが」
「うーーん」
時計を見たお兄ちゃんは
「声はかけておいたのだけど、うちの調査員は皆
「じゃあ、あたし帰って寝たい」
「おやおや」
本来ならあたしは今東京で、東京の学校に通っている学生でもあるのだ
腕を組んでお兄ちゃんを見ている国木田さんもお兄ちゃんに話をしていて
「茉白」
「おださん?」
そう言ったあたしの言葉に皆揃ってあたしの方を見ていて
「ありゃ。これは本当に駄目なパターンだねぇ」
「寝かせてくる。話を先に進めておいてくれ」
「頼んだよ」
なんて言っている言葉を後に、織田さんに抱えられたあたしは会議室を出て医務室に連れて来られた
「少し休んでいろ」
「どこにも、いかない?」
「あぁ。行かないさ。俺も太宰も茉白を置いて行くはずがないだろう」
そう…だよね
「安心していい。お前が寝るまでは此処にいてやるさ」
そう言ってあたしの頭を撫でてくれた織田さんの手は昔と変わらなくて
直ぐに目を閉じて寝てしまった
==
会議室に戻ってきた織田を見た太宰たち
「お帰り。茉白は」
「寝てる」
「そうか」
「しっかし、あんな話し方も出来るんですね」
「あれは本当に眠い時の話し方だよ」
「俺も随分と久々に聞いたがな」
「織田作でさえ久々なんだ」
「あぁ」
「で?白板に書かれている3つ目はなんだ」
「あぁ。決定された試験内容に基づいて担当を割り振る。どう?計画的でしょ」
「計画的なことは認めるが、そうなったらそうなったで今度は厭な予感がするな」
厭な予感か。それは太宰も織田も過去に経験している予感と似ているからだ
「3つ目の担当の割り振り。が特に怪しい。お前の事だ。自分には絶対に役割が回ってこない様、事前に計略を巡らせているのだろう。違うか?」
「厭だなぁ。私のような真面目な人間が、そんな汚いことをする訳がないよ。国木田君は同僚である私を信じられないというのかい?」
「信じられん。お前は特に。茉白と織田ならともかくだ」
「信じられませんねぇ」
「気持ちがいい程、信じられんねぇ」
「皆して酷いっ」
「お前はこういう時に嫌と言うほど本領を発揮するからな」
「如何いう事だ」
「太宰は恐らく自分ではなく茉白に役割を振らないつもりだろ」
言い切った織田の方を見て来た探偵社の人たちは、驚きを隠せていない様子で
「まぁ、その監視は全員で行うか。では三つ目の最後の担当は決めはそれで善いとして、最初の
その言葉で会議を進め、賢治と乱歩が途中から参加しているのだ
試験内容を決めた後、太宰は谷崎を見ながらこう言ったのだ
「じゃあ、こうしよう。谷崎君に役割の選び方を一任しようじゃないか。
してやったりと言った口調と顔で国木田を見た太宰
「では、籤なんてどうでしょう。数字の入った籤を引いて、数字の小さい人から順に、面倒な役を割り振られるというのは」
「不十分だ」
「え?」
「この男の手癖の悪さを知らんのか?コイツは恐ろしく指先が器用で、針金一つで銀行の金庫を破って見せる」
「籤の偽装、すり替えは、太宰にとっては朝飯前だな。茉白に関しては“お兄ちゃんは自分の望む方針を自分では言わない。必ず他人に言わせる。
探偵社の内部では、乱歩さんを推理術の化身だとするならば、お兄ちゃんは操心術の権化だと。人心を操り縛るお兄ちゃんの繰り糸は複雑かつ深遠で、その底は誰にも見えない”とそう言っていた
茉白でさえ、太宰の本心は見抜けない、見えることがない。そう言っているくらいだ」
「ではこうしましょう」
そう取り出したのは先ほどの古新聞
「この古新聞を使いましょう。1カ月も前ならこれなら似た者を用意したり、書き換えたりの偽装が難しいんじゃないでしょうか」
「成程な」
途中、昨日の爆弾(偽物)を使うという発想が出て来たのだ
籤で誰が爆弾を持つかを決め、その結果谷崎が爆弾を持つことに。そして人質役にはナオミ。当然茉白には、参加させるつもりは無いのだ。太宰としては
「これで決まりだねえ」
この後、居酒屋に行くと言った国木田は谷崎と太宰も連れて行こうとしたのだが
「悪いねぇ。茉白を連れて帰らなくちゃいけないから、私と織田作はこれで失礼するよ」
そのまま医務室に向かった2人は茉白を連れて、セーフハウスへと戻って行くのだ