6話
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あの時、13歳だったあたしに生きる意味を教えてくれたのも
織田さんの傍を離れたくないと思わせたのも全部織田さんだ
「織田さんが居なくなって直ぐに乱歩さんに言われたんだよね。あたしとは近いうちにまた会えるよって。2年前の探偵社に入った時乱歩さんと再会。乱歩さんの言っていることは本当だったんだと。そう思わざるを得なかった」
「すごい出会い方ですね」
「でしょう?その乱歩さんが合格を出した同じ社員に異能力でも拳銃を向けていたことには変わりはないのだけれど」
「与謝野先生にあの後散々と言われた俺の未来を返せ」
「帰せるわけがないでしょうに」
乱歩さんも与謝野
その代わり、乱歩さんと与謝野せんせいからは色々と言われていたようだけれど
「自業自得ですね。国木田さん」
「何?」
「だってあの時あたしは乱歩さん直々に電話で探偵社員だと言われていたのにもかかわらずあたしに銃を向けたのは事実ですもの。それが例え、異能力であったとしても。どうせ、誰が連れて来ても、誰をどう探偵社に入れようとも国木田さんの頭には“反対”の言葉と文字しか最初に出てこないのでしょう」
「どうしても。というのなら社長に掛け合え。社長が認めるなら俺からは何も言わん」
「もう掛け合ったよ。入社試験の内容を考えろ。ってさ」
「そうなんですか?って事は入社試験までの許可は下りたんですね」
「そうなのだよ。けど問題は今回敦君に課す入社試験を何にするか、まだ決まって居ないのだよね
私の一存だけで決めるわけにもいかないし。だよね?先輩」
「無論だ。試験は社への適正、それにその社員の魂の真贋を見極める重要な通過儀礼だ。おまけに今回の新人は区の災害指定猛獣。下手をすれば不法に危険対象を保護したとして探偵社そのものにも嫌疑が降りかかりかねん。
社長が許可を出したならば是非もないが入社試験は普段よりも余程念入りに施行する必要がある。お前1人の適当な
「なら決まりだな」
「行こう。実は探偵社の会議室に皆を呼んであるのだよ」
へ?皆を呼んである?
「何のために」
「今、国木田君が言ったんじゃないか。それを実現させるためだよ
社長命令だよ。探偵社の新たな星となる新人君の、社員としての適性を試すには、みんなの知恵が必要なんだ」
皆の知恵?
お兄ちゃんと乱歩さんの頭脳があればすぐに決まりそうな入社試験の内容なのだけれどこうなったお兄ちゃんはきっと人の話は訊かないだろう
「第1回。入社試験大選考会だ」
会議室に集められた探偵社員。
武装探偵社は、異能者によって構成された民間の武装調査組織
探偵社には依頼人の問題を解決するため、調査活動を行う調査員と、情報収集・渉外・会計等を担当する事務員が所属している
構成人数は一定ではないが、社長を含めると、常時数十名が活動していることになる。当然あたしもその中の1人なのだが
調査員はほぼ全員が何らかの異能を支持している
異能者・谷崎潤一郎
異能力【
異能者・国木田独歩
異能力【
異能者・太宰治
異能力【
異能者・織田作之助
異能力【
異能者・太宰茉白
異能力【
その他の調査員もそれぞれ固有の異能を持ち、それぞれに力を振るって調査活動を行っている
昼の世界を市警や内務省を始めとする公権力が支配する昼の世界と、黒社会であるポートマフィアが支配する夜の世界。その淡いを取り仕切る薄暮の異能武装集団。それが探偵社だと乱歩さんが教えてくれたことがある