6話
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翌朝、襖を開けると矢張り2人で呑んでいたらしくお酒の瓶やら缶が沢山畳の上やテーブルに置いてあって
「相変わらずだなぁ」
なんて言いながらも先ずは其れを片してから朝食を作って部屋で着替えてから戻るとお兄ちゃんも織田さんもすでに起きていて
「おはよう茉白」
「おはよう。お兄ちゃん、織田さん」
朝食を食べた後、探偵社に行くとまだ誰も来ていない探偵社は広々としている
その探偵社の中もあたしは換気をすることから始めている
「おはようございます」
「おはよう。国木田君」
「おはよう」
「おはようございます。国木田さん」
「あぁ。それにしても茉白くらいだな。此処を換気しているのは」
「朝の空気は気持ちいいですもの」
「そうだな」
そんな話をしている中入ってきたのは谷崎さんたちと賢治君たちで
「おはようございます」
「おはようございます。茉白さん」
「茉白さんがいらっしゃると、探偵社の空気も全然違いますわね。兄様」
「そうだね。ナオミ」
そんなに変わるものなのかな
「国木田さん。昨日の続きなんですが」
「あぁ。偽の爆弾の話か」
「はい。その時一応駆けつけてくれた市警の巡査さんに言われたんですよ。
『「武装探偵社さんに街を守って貰っていただいているから、我々も安心して仕事が出来ます』というような意味の事を」
「でもそれって可笑しくないですか」
「ほう。結構な事ではないか。相手構わず中途半端に甘い顔をするから爆弾脅迫などを受けるのだ!この女の敵が!この椅子を蹴られても文句は言えん状況だろう」
そう言ってお兄ちゃんの座って居る椅子を蹴って居る国木田さんを見て
「国木田さん。流石にそれはやりすぎでしょう?」
「これくらいでは」
「そのうちお兄ちゃんに殺されてもあたしに訴えられても証拠はありますからね
まぁ、あたしの場合、国木田さんが刺されても『自業自得』だとしか思わない事にします」
「うわぁ」
「すごいですね!」
なんて言って来た谷崎さんと賢治君
「良い事なのは間違いないんですけどね。何だか恐縮半分、疑問半分でして」
「?恐縮することはニアと思うけれど、疑問半分って一体」
「だって市民が安心して仕事できるよう街を守るのが市警の仕事なんですから、市警に迄『守って貰ってる』と思われる仕事をどうして社長は始めたのかな、と」
「そう言った話を昨日の昼間にしたのだよ」
「成程な。確かに探偵社の仕事は常に危険と隣り合わせだ。生半可な覚悟で始められる事業ではない。
だが社長は知っての通り義と仁の人だ。この国のどこを探しても探偵社の長としてあれほど相応しい人はいない。探偵社設立も天の采配だと俺は思うがな」
そう言った国木田さんはお兄ちゃんの方を見て
「探偵社と言えば」
言えば?
そう言えば、あれからあの男の子にあって無い気がする。お兄ちゃんが社員とすると言った中島敦君に
「思いだしたぞ。太宰」
「「ん?」」
「貴様、あの小僧は如何した」
「小僧?」
「一昨日拾った宿無しの小僧だ。お前あの小僧を探偵社に入れるなど言いだしただろう。あれは本気か?正気の沙汰ではないぞ。見知ったばかりの小僧をしかも区の災害指定猛獣でもある危険な異能者を探偵社に入社させるなど」
クスクスt笑ったあたしに
「茉白は分かったのかい」
「えぇきっと、織田さんももうお判りになっているのでは」
「何?」
「正気も正気さ。実は今日はその用で来たのだよ。いや楽しみだね」
「兎に角、俺は反対だ」
「あらら。国木田さんは何時だって、誰が入って来ても反対では無いですか」
「え?」
「そうなんですか?」
「そうですよ。2年前、あたし達が探偵社に入った時、お兄ちゃんと織田さんの入社試験であたしの頭に拳銃を向けたんですよ。国木田さんは
しかも、恐怖という名のトラウマを引き起こしてくれた」
「え?じゃあ茉白さんは探偵社員じゃ」
「社員だよ。あたしは乱歩さんに2年前の時すでに合格を貰ってた。あたしは探偵社員だと」
「なぁ!?」
驚いてる、驚いてる
「しかもですね。あたしの足元スレスレに発砲してきて震えてたあたしに『業とか』ってそう言ったんですよ。それはあたし達兄妹が入社するのを反対していた証拠でしょう?」
「ゔ…」
「でもなんで茉白さんは太宰さんたちよりも早く合格してたんです?」
「4年前、たった1度だけあたしと織田さんは同じ場所で乱歩さんに出会ってるの。ある事件があってね。織田さんと全く同じ異能力者が出て来た時に乱歩さんにも言われたの。それを引き留めたあたしの腕すら解いて行ってしまったの。彼は」
「今はもう」
「俺の事だ」
「織田さんの事?」
「あぁ。茉白は其れを止めに来たんだ。行けば死ぬ場所だと分かって居たからな
茉白はあの時に俺にこう言ったんだ。
“お兄ちゃんだけじゃ駄目…”だと。きっと其れは茉白に対する探偵社の入社試験の合格にもなる話だったのかもしれない」
「そうだったんですね」